今回は複合関係副詞についてお伝えします。
複合関係副詞とは、関係副詞に ever がついたものです。
先行詞なしで用います。
問題
次の文を訳しましょう。
また、他の表現に言い換えましょう。
( )に入るのは1語とは限りません。
1. Let's go for a drink whenever you come to Tokyo.
= Let's go for a drink ( ) you come to Tokyo.
2. She is always busy. She is doing something whenever I vist her.
=She is doing something ( ) I visit her.
3. I will keep in touch with her wherever she lives.
=I will keep in touch with her ( ) she lives.
4. You can sit wherever you like.
= You can sit ( ) you like.
5. I will never give up however difficult the situation may be .
=I will never give up ( ) the situation may be.
解説と解答
前回お伝えしたように、複合関係代名詞は名詞節と副詞節のどちらを導くかで意味が違います。
複合関係副詞は次の2通りの意味がありますが、どちらも副詞節を導きます。
どちらの意味で使われているかは、状況から判断しましょう。
(両方の訳が可能な場合もあります。)
1.いつでも、どこでも
whenever: 「~する時はいつでも」
wherever: 「~する所ならどこ(へ)でも」
2.強調 (文法用語で「譲歩」と呼ばれます)
whenever: 「いつ~しようとも」
wherever: 「どこで〔どこへ〕~しようとも」
however+形容詞〔副詞〕: 「どんなに~でも」
「譲歩」という文法用語については、こちら↓も参考にしてください。
ここ大事!
複合関係副詞は接続詞として使われます。
2つの違いは次のように考えることができます。
複合関係副詞:-ever という形から考えられる呼び名
接続詞:文中での役割によって分けられる品詞の一つ
1. Let's go for a drink whenever you come to Tokyo.
= Let's go for a drink ( any time ) you come to Tokyo.
あなたが東京に来るときはいつでも飲みに行きましょう。
whenever は「…する時はいつでも」という意味
2. She is always busy. She is doing something whenever I vist her.
=She is doing something ( no matter when ) I visit her.
彼女はいつも忙しい。いつ彼女を訪ねても、彼女は何かやっています。
whenever は「いつ…しようとも」という意味
*状況によっては、次の訳も可能。
彼女はいつも忙しい。私が彼女を訪ねるときはいつでも、彼女は何かをやっています。
3. I will keep in touch with her wherever she lives.
=I will keep in touch with her ( no matter where ) she lives.
彼女がどこに住んでいようと、私は彼女と連絡を取ります。
wherever は「どこで〔どこへ〕~しようとも」という意味
4. You can sit wherever you like.
= You can sit ( any place ) you like.
どこでも好きな所にお座りいただけます。
wherever は「~する所ならどこ(へ)でも」という意味
5. I will never give up however difficult the situation may be .
=I will never give up ( no matter how difficult ) the situation may be.
状況がどんなに難しくても、私は決してあきらめません。
however +形容詞〔副詞〕 は「どんなに~でも」という意味
ここ大事!
1.however の後に形容詞[副詞]
「どんなに~でも」という意味の複合関係副詞 however は 5. のように〈however[no matter how] + 形容詞[副詞] + SV〉の形で使われることが多いですが,次のように使われることもあるので,一緒に覚えておきましょう。
2.howeverだけ
〈however[no matter how] + SV〉「どんなふうに~しても」
However you (may) do it, it will not be possible.
あなたがどんなふうにやっても,それは無理でしょう。
3.however のあとに形容詞+名詞
①〈however[no matter how]+many+可算名詞・複数形+SV〉「どれほど多くの~を…しようが」
However many times you (may) ask, I will not tell you.
あなたが私に何度(どれほど多くの回数を)頼んでも,(私はあなたに)言いません。
②〈however[no matter how]+much+不可算名詞・単数形+SV〉「どれほど多くの~を…しようが」
However much (*money) it costs[may cost], I will buy it.
どれほど多く(のお金が)かかっても,私はそれを買います。
*cost という動詞から言わなくてもわかるため,money は通例省略されます。
③〈however[no matter how]+形容詞+a(n)+可算名詞・単数形+SV〉「~がどれほど…でも」
However intelligent *a man he is[may be], I do not trust him.
彼がどれほど賢くい人でも,私は彼を信用しません。
★*冠詞の位置に注意。as,how(ever),so,too がつくときは,冠詞の a(n) は形容詞の後に置かれます。
★名詞の前に a(n) がつかないとき(不可算名詞と可算名詞の複数形)は 〈as [how(ever),so,too] +形容詞+名詞〉の形は使えないので注意が必要です。
2通りの訳
複合関係副詞が導く節は両方とも副詞なので、複合関係代名詞のように文の構造から判断して意味を考えることはできません。
文意から判断しましょう。
こちら↓も参考にしてください。