今回は名詞を修飾する語・句・節についてお伝えします。
問題1
まずは,どのような語・句・節が名詞を修飾するか,品詞や動詞の形などを考えてみましょう。
問題2
日本語に合うように,英文を完成させましょう。
1. We stayed at a hotel ( ).
私達は有名な建築家が設計したホテルに泊まりました。
2. ( ) attended the party.
およそ100人がそのパーティーに出席しました。
3. ( ) of the box is 1 kg .
この箱のおおよその重さは 1 kg です。
4. We need a ( ) place ( ).
私たちは野球をする安全な場所が必要です。
5. We have to organize ( ) information.
私たちは、患者情報を整理しなければなりません。
6. ( ) can understand this.
子供でさえ,これを理解することができます。
7. Do you have a ( ) bag?
あなたは、寝袋を持っていますか。
8. I met a beautiful girl ( ).
私は,長い金髪の少女に会いました。
9. This is the point ( ).
ここがあなたが間違っている点です。
10. He made a promise ( ).
彼はまた来ると約束しました。
問題1の解説と解答
(1) 語
名詞を修飾する品詞は多くの場合形容詞ですが,例外的に(動)名詞と副詞が修飾することもあります。
(2)句
句(S+Vを含まない語のまとまり) も語と同様に文中の役割によって名詞・形容詞・副詞に分類されますが,形容詞句が名詞を修飾します。
主な形容詞句:
① 不定詞を用いる形容詞句
② 分詞を用いる形容詞句
③ 〈前置詞+名詞〉の形の形容詞句
(3)節
節(S+Vを含む語のまとまり)も語と同様に文中の役割によって名詞・形容詞・副詞に分類されますが,主に形容詞節が名詞を修飾します。
形容詞節:
① 関係代名詞が導く形容詞節
② 関係副詞が導く形容詞節
その他:
③ 同格の that が導く節は名詞節に分類されています。
問題2の解説と解答例
1-1. We stayed at a hotel ( which/that was designed by a famous architect ).
私達は有名な建築家が設計したホテルに泊まりました。
★関係代名詞の主格を使って,関係詞節がどのような hotel かを説明しています。
1-2. We stayed at a hotel ( which/that a famous architect designed ).
私達は有名な建築家が設計したホテルに泊まりました。
★関係代名詞の目的格を使って関係詞節がどのような hotel かを説明しています。
時制の一致についての補足
歴史上の事実や出来事の順序が明らかな時は,過去完了形ではなく過去形を使うことがあります。
建築家が設計したのは私達が泊ったときより前の出来事なので,厳密には過去完了形にすべきですが,順序が明らかなため過去形で表しています。
1-3. We stayed at a hotel ( designed by a famous architect ).
私達は有名な建築家が設計したホテルに泊まりました。
★過去分詞を使ってどのような hotel かを説明しています。
2. ( Approximately[About / Around / Nearly] 100 people ) attended the party.
およそ100人がそのパーティーに出席しました。
★多くの場合,数字(名詞)は次のような副詞が修飾します。
about / around / almost / approximately / exactly / just / nearly など
3. ( Approximate weight ) of the box is 1 kg .
この箱のおおよその重さは 1 kg です。
★名詞の weight (重さ) は形容詞の approximate が修飾します。
4-1. We need a ( ①safe ) place ( ② to play baseball ).
私たちは野球をする安全な場所が必要です。
★①形容詞の safe が place の「特徴」を表しています。形容詞は名詞の「特徴」「性格」「性質」などを表します。
★② 不定詞の形容詞的用法(「同格」)を使って,どのような place なのか説明しています。
ここ大事!
同格の関係を導く不定詞が修飾する名詞は以下のような名詞に限られています。
decision / plan / desire / wish / ability / freedom / determination / intention / courage / effort / right など
4-2. We need a ( ①safe ) place ( ② where we play baseball ).
私たちは野球をする安全な場所が必要です。
★②関係副詞の where を使って関係詞節がどのような place かを説明しています。
5. We have to organize ( patient ) information.
私たちは、患者(に関する)情報を整理しなければなりません。
★名詞は名詞の「目的」「内容」「中身」などを表します。
なお、patience も名詞ですが、「忍耐、根気」という意味なので、文意が通りません。
6. ( Even a child ) can understand this.
子供でさえ,これを理解することができます。
★次のような副詞は(代)名詞を修飾することもできます。
about / even / only など
7. Do you have a ( sleeping ) bag?
あなたは、寝袋(寝るための袋)を持っていますか。
★動名詞は名詞の「目的」「内容」「中身」などを表します。
cf. 7-a Look at the sleeping baby.
眠っている赤ちゃんを見てください。
★分詞は形容詞と同じように名詞の「特徴」「性格」「性質」「状態」などを表します。
8-1. I met a beautiful girl ( with long blond hair ).
私は,長い金髪の少女に会いました。
★前置詞+(形容詞+)名詞〉を使って,どのような girl なのか説明しています。
8-2. I met a beautiful girl ( who has long blond hair ).
私は,長い金髪の少女に会いました。
★関係代名詞の主格を使って関係詞節がどのような girl かを説明しています。
なお,関係代名詞の所有格を使ってwhose hair is long and blond と表すこともできます。その際,形容詞の long と blond の間に接続詞が必要なことにも注意しましょう。
9-1. This is the point ( where you are wrong ).
ここがあなたが間違っている点です。
★関係副詞を使って関係詞節がどのような point かを説明しています。
先行詞が point / case / situation などのときも関係副詞はwhereを用います。
9-2. This is the point ( at which you are wrong ).
ここがあなたが間違っている点です。
★〈前置詞+関係代名詞〉を使って関係詞節がどのような point かを説明しています。
ここ大事!
★point は後ろに同格の that が導く節を続けることができません。関係副詞の where が導く節,または〈前置詞+関係代名詞〉が導く節が修飾します。
10. He made a promise ( that he would come again ).
彼はまた来ると約束しました。
★同格の that が導く節がどのような promise かを説明しています。
ここ大事!
同格の関係を導くthat 節が修飾する名詞は以下のような名詞に限られています。
advantage / anxiety / belief / chance / command / danger / desire / discovery / effect / explanation / feeling / idea / information / knowledge / news / opinion / possibility / promise / rumor
など
迷ったら辞書等で確認しましょう。
まとめ
名詞を修飾する語の品詞:
★形容詞 (3,4)
★(動)名詞 (5,7)
★副詞 (2,6)
名詞を修飾する句:
★不定詞を用いる形容詞句 (4-1)
★分詞を用いる形容詞句 (1-3,7-a)
★〈前置詞+名詞〉の形の形容詞句 (8-1)
名詞を修飾する節:
★関係代名詞が導く形容詞節 (1-1,1-2,8-2,9-2)
★関係副詞が導く形容詞節 (4-2,9-1 )(この節が使える名詞は限られている)
★同格の that が導く名詞節(10)(この節が使える名詞は限られている)