今回は自動詞についてお伝えします。
自動詞には完全自動詞と不完全自動詞があります。
今回は補語に注目し、特に注意が必要な自動詞について確認しましょう。
動詞の分類
おそらく多くの英語学習者が、動詞には自動詞と他動詞があることはご存知だと思います。
自動詞と他動詞は直後に目的語を伴うかどうかに着目した分類です。
直後に補語を伴うかどうかに着目した分類が完全動詞と不完全動詞です。
今回は自動詞についてのみお伝えします。
動詞の分類については、こちら↓を参考にしてください。
自動詞と他動詞
自動詞とは後ろに目的語を伴わない動詞で、第1文型(SV)、第2文型(SVC)で使われる
他動詞とは後ろに目的語を伴う動詞で、第3文型(SVO)、第4文型(SVOO)、第5文型(SVOC)で使われる
文型についてはこちら↓を参考にしてください。
自動詞と他動詞についてはこちら↓も参考にしてください。
完全自動詞と不完全自動詞
完全自動詞とは補語を必要としない[補語がなくても文が成りたつ]動詞で、第1文型(SV)で使われる
不完全自動詞とは補語を必要とする[補語がないと文が成り立たない]動詞で、第2文型(SVC)で使われる
★どちらかの用法しかない自動詞と、両方の用法がある自動詞があります。
問題
完全自動詞か不完全自動詞かに注目し、適切な語を選択しましょう。なお、1語とは限りません。
1. He looked ( happy happily smile smiling ).
2. They were walking ( happiness happy happily smile smiling ).
3. He kept ( silent silently smiling loved by his children ).
4. He came ( sad sadly run running ).
5. She was standing ( still smiling surrounded by a lot of children in the middle of the room ).
6. He became ( busy a doctor widely known crying ).
解説と解答
完全自動詞か不完全自動詞かに注意して、後ろに続く語句を選択しましょう。
★完全自動詞でも、「~しながら」という意味で分詞を補語にとる動詞もあります。
★補語には名詞か形容詞が使われますが、名詞が使われる動詞は次のような動詞に限られています。be、become、seem 、remain など
こちら↓を参考にしてください。
赤色と紫色が正解です。
1. He looked ( happy happily smile smiling ).
★「~に見える」という意味の look は不完全自動詞で、補語として形容詞を伴う → 副詞の happily も動詞の smile も不可
★形容詞の happy が補語の役割をする
★現在分詞の smiling も形容詞の働きをするが、通例 look と共に使うことはない。
補足
★通例 look の後ろに通常の分詞を続けることはできないが、 動詞の性質を無くし形容詞として使われるようになった分詞形容詞を続けることは可能。
例)look tired / look promising など
通常の分詞と分詞形容詞の主な違い:
通常の分詞は一時的な様子
分詞形容詞は本質的な特性
詳しくはこちら↓をご覧ください。
★look の後に現在分詞を続けて「~しているように見える」という意味を表すことはできないが(✖look smiling)、同じ意味の seem の後に不定詞を続けて「~しているように見える」と表すことは可能。 例)He seemed to be smiling.
2. They were walking ( happiness happy happily smile smiling ).
★walk(歩く) は完全自動詞なので補語は不要 → 名詞の happiness も形容詞の happy も動詞の smile も不可
★修飾語として副詞の happily を続けることが可能
ここ大事!
★walk は完全自動詞なので通例補語を伴わないが(✖walk happy)、分詞を補語として伴い「~しながら」という意味で使うことは可能(〇walk smiling)。
3. He kept ( silent silently smiling loved by his children ).
★「~のままである」という意味の keep は不完全自動詞で、補語として形容詞を伴う→ 副詞の silently は不可
★形容詞の silent と分詞の smiling が補語の役割をする
*〈keep doing〉は単に動作の継続を表す。〈keep on doing〉のよう on が入ると、動作の繰り返しを強調する。
★通例 keep の補語として過去分詞を伴うことはできない → 過去分詞の loved ~ は不可
4. He came ( sad sadly run running ).
★「来る」という意味の come は完全自動詞なので補語は不要 → 形容詞の sad も動詞の run も不可
★修飾語として副詞の sadly を続けることが可能
ここ大事!
★come は完全自動詞なので通例補語を伴わないが(✖come sad)、分詞を補語として伴い「~しながら」という意味で使うことは可能(〇come running)。
★ただし、come には「ある状態になる(✖来る)」という意味もあり、その場合は不完全自動詞で後ろに形容詞を続ける。
例)come true (実現する)
5. She was standing ( still smiling surrounded by a lot of children in the middle of the room ).
★「立っている」という意味の stand は完全自動詞なので通例補語は不要 → 修飾語として副詞句の in the middle of the room を続けることが可能
★ただし、特定の形容詞を用いて「~の状態で立っている」という意味を表すこともある(〇stand still)。
また、「~の状態・立場である(✖立っている)」という意味で形容詞を伴うこともある(〇The house has stood empty for a long time.) 。その場合の stand はbe動詞に置き換えることが可能。
ここ大事!
★通例完全自動詞として使いますが、分詞を補語として伴い「~しながら[されながら]」という意味で使うことは可能(〇stand smiling / stand surrounded ~)。
6. He became ( busy a doctor widely known crying ).
★become は不完全自動詞で名詞も形容詞も補語にとることが可能 → 形容詞の busy と名詞の a doctor を補語としてとることが可能
★become の後に過去分詞を伴うことが可能 → 過去分詞の widely known を補語としてとることが可能
★通例 become の補語として現在分詞を伴うことはできない → 現在分詞の crying は不可
まとめ
1.自動詞には、補語を伴う動詞(不完全自動詞)と伴わない動詞(完全自動詞)がある。
2.不完全自動詞の後に補語として名詞または形容詞を続ける。ただし、名詞を続ける自動詞は限られている。
3.完全自動詞の後に補語として分詞を伴うこともある。
こちら↓も参考にしてください。