今回は動詞の分類についてお伝えします。
まずは、動詞とは何かについて確認しましょう。
単語は、文中の役割などによって、8種類または10種類の品詞に分類されています。役割などによってグループ分けされていると考えるとわかりやすいです。
動詞はそのうちのひとつで、名詞、形容詞、副詞と共に特に使う頻度が高い品詞の一つです。
★人や物事の動作、様子、状態、性質などを説明します。
★意味や時制などに合わせて次のように語形変化します。文字通り「形」が変わります。
・原形 (例 be〔come〕)
・現在形 (例 is/am/are〔come/comes〕)
・過去形 (例 was/were〔came〕)
・過去分詞形 (例 been〔come〕)
・~ing 形 (例 being〔coming〕)
*~ing形には「現在分詞」と「動名詞」があります。
★動詞はどこに注目するかによって、「○○動詞と△△動詞」と分類されます。
日本語は「~に」とか「~へ」などの助詞を加えたり、述語を変化させたり、別の言葉を加えることで色々な状況を説明しますよね。
ところが、英語ではそれぞれの単語に色々な要素が含まれていることが多いようです。
同じ動詞でも意味によって分類が変わる場合も多いです。
また、肯定文の語順はどの動詞も同じですが、疑問文や否定文は動詞によって語順が変わります。
動詞の分類を意識することで間違いを防ぎやすくなります。
簡単だとは思いますが、英文を正しく理解し(リーディングとリスニング)、正しく発信する(ライティングとスピーキング)ために、分類について考えてみてください。
問題
「○○動詞と△△動詞」のように対になる組み合わせを5種類挙げ、それぞれの違いを説明しましょう。
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解答と解説
私が思いついたのは次の5種類です。
もし他にもあれば、是非教えてください。
1.規則動詞と不規則動詞
2.be 動詞と一般動詞
3.自動詞と他動詞
4.完全動詞と不完全動詞
5.状態動詞と動作動詞
その他、その動詞の意味によって使役動詞、知覚動詞と呼ばれる動詞もありますが、対になる呼び方(例えば使役動詞と普通動詞など)がないので、ここでは挙げませんでした。
それぞれの違いは次の通りです。
1.規則動詞と不規則動詞
動詞は、時や可能性によって語形変化します。
その際の過去形と過去分詞形の変化の仕方で規則動詞と不規則動詞に分かれます。
規則動詞 〈原形+ -(e)d〉
不規則動詞 不規則に変化
例)
We helped the lady.
He taught me English.
(✖ He teached me English.)
2.be 動詞と一般動詞
この2つの動詞の違いは、意味ではなく、否定文(~ではない)と疑問文(~ですか)の語順や形の違いです。
be 動詞の否定文 〈be動詞+not〉
例)I am not an artist.
一般動詞の否定文 〈助動詞+not+動詞の原形〉
例) I did not play golf with him.
be 動詞の疑問文 〈be動詞+主語~?〉
例)Are you an artist?
一般動詞の疑問文 〈助動詞+主語+動詞の原形~?〉
例) Did you play golf with him?
be動詞と一般動詞の違いについては、こちら↓も参考にしてください。
3.自動詞と他動詞
自動詞 直後に目的語を必要としない動詞
他動詞 直後に目的語を必要とする動詞
同じ意味を持つ自動詞と他動詞を比較してみましょう。
自動詞 arrive 到着する
他動詞 reach ~に到着する
他動詞は「~に」まで入っているので、後ろに目的語がなければ不自然です。
例えば I reached. は「私は、に到着しました」という意味になります。これを聞くと「え?にってどういうこと?どこに?」と思いますよね。
このままでは意味が通らないので、必ず目的語が必要です。
自動詞を使って「~に」と言いたい場合は〈前置詞+場所を表す名詞〉や副詞を用います。
○ I arrived . (私は着いた)
✖ I reached. (私はに着いた)
○ I arrived at the station. (私は駅に着いた)
✖ I reached at the station. (私は駅にに着いた)
✖ I arrived the station. (私は駅着いた)
○ I reached the station. (私は駅に着いた)
こちら↓も参考にしてください。
4.完全動詞と不完全動詞
完全動詞:補語を必要としない動詞
(補語がなくても意味が通る動詞)
不完全動詞:補語を必要とする動詞
(補語がないと意味が通らない動詞)
完全動詞 come 来る
例)He came here. (主語 + 述語動詞 + 副詞)
彼はここに来ました。
不完全動詞 come なる
例)My dream has come true. (主語 + 述語動詞 + 補語)
私の夢が実現しました。
(直訳:私の夢が本当になりました)
目的語を必要とするかどうかに注目した自動詞と他動詞の区別に比べると、あまり意識しないかもしれませんが、補語を必要とするかどうかも大切です。
5文型
他動詞と自動詞、完全動詞と不完全動詞の区別は、その動詞のその意味は、どの文型を使うかということです。
同じ動詞でも意味によって文型が異なるので、一つずつ覚えるしかないと思います。
2つの関係を確認しましょう。
第1文型(SV) ー 完全自動詞
第2文型(SVC) - 不完全自動詞
第3文型(SVO) ー 完全他動詞
第4文型 (SVOO) - 完全他動詞
第5文型(SVOC) - 不完全他動詞
詳しくはこちら↓を参考にしてください。
文型については、こちら↓も参考にしてください。
5.状態動詞と動作動詞
live や be動詞 のように、数か月~数年にわたる長期間続いている動作や状態を表す動詞を状態動詞といいます。
visit や get のように、初めと終わりが明確な動作や行為を表す動詞を動作動詞といいます。
例)
状態動詞
I am married.
過去のある時点(ここでは結婚したとき)から現在までの状態
動作動詞
I got married in 2000.
過去のある時点の行為
同じ動詞が両方で使われる場合もあります。
状態動詞
What do you do?
この場合の do は「従事する」という意味
動作動詞
What did you do last Sunday?
この場合の do は「~をする」という意味
また、時間の長さによって動作動詞を使い分けます。
日本語では「8時間寝ました」「午後11時に寝ました」のように同じですが、英語では使い分けます。
例)
I slept for eight hours last night.
I went to bed at 11:00 p.m. last night.
「8時間寝ました」は sleep を使い、「午後11時に寝ました」は go to bed を使います。
何年も sleep という状態が続くわけではないので、どちらかに分けるとすると sleep も go to bed と同じ動作動詞です。
このように動作動詞の中にも、時間が長いものと短いものがあります。
詳しくは、こちら↓を参考にしてください。
まとめ
意味だけで直訳すると間違った英文になってしまいます。
上記の分類を意識することで適切な動詞を選択しやすくなるはずです。
こちら↓も参考にしてください。