今回は否定を表す語についてお伝えします。
否定を表す語はいくつかありますが、今回は全否定(まったく~ない) を表す語についてお伝えします。
問題
否定を表す語に特に注意して、それぞれの文の意味を考えましょう。
また、否定を表す語の品詞も答えましょう。
1-A He does not eat breakfast.
1-B He never eats breakfast.
2-A He has no brothers.
2-B He does not have any brothers.
3-A He is not a teacher.
3-B He is no teacher.
4-A This task is not easy.
4-B This task is no easy.
解答と解説
最初にそれぞれの語について確認しましょう。
not
役割:
1. 文否定
述語動詞や助動詞を否定して文全体を否定する
2. 語否定
特定の語・句・節の前に置いてそれらを否定する
品詞:
副詞
特徴:
一般動詞を使った否定文は助動詞と一緒に使うため、動詞は原形になる。
never
役割:
「一度も~ない、まったく~ない」という強い否定を表す。
品詞:
副詞
特徴:
never(not+ever) は原則的に否定の状態が一定期間続く時に使い、一度だけの動作や一時的な状態には使わない。
一般動詞を使った文に助動詞が使われていない場合、主語によっては動詞に3単現の s がつく。
no
役割:
1. 名詞を伴って「一つ[一人]も~ない、少しの…も~ない」という意味で、ゼロであることを伝える強めの否定表現。
2. 〈no+名詞〉〈no+形容詞+名詞〉が be動詞の補語として使われ、多くの場合話し手の強い感情を伴って「決して~ではない(逆に~だ)」という意味を表す。
品詞:
形容詞
副詞
特徴:
no の後が不可算名詞のときは、単数形が続き、可算名詞のときは主に複数形が続く。ただし、本来一つ、または一人しか(い)ない名詞は単数形になる。
例)
no milk (no+不可算名詞)
no sisters (no+可算名詞)
no wife (no+同時期に一人しかいない可算名詞)
それぞれの文の意味を確認しましょう。
1-A He does not eat breakfast.
彼は(習慣的に)朝食を取りません。
not は副詞
動詞の eat を否定している
動作動詞の現在形は、習慣を表します。
詳しくはこちら↓を参考にしてください。
1-B He never eats breakfast.
彼は決して朝食を取りません。
never は副詞
動詞の eat を強く否定している
注)動詞に3単現の s がつく
2-A He has no brothers.
彼は兄弟が一人もいません。
no は形容詞
名詞の brother の数がゼロであることを表している
2-B He does not have any brothers.
彼は兄弟が一人もいません。
〈no+名詞〉は〈not ~ any+名詞〉とほぼ同じ意味を表す
3-A He is not a teacher.
彼は教師ではありません。
not は副詞
単に「教師ではない」という事実を客観的に伝えている
3-B He is no teacher.
彼は先生どころではありません。
noは形容詞
単なる否定ではなく、「~どころではない」という意味で、多くの場合、話し手の強い感情を伴う
「彼には先生としての素質がない」と言っている
4-A This task is not easy.
この仕事は簡単ではありません。
not は副詞
単に「簡単ではない」という事実を客観的に伝えている
4-B This task is no easy.
この仕事は決して簡単ではありません。
noは副詞(形容詞のeasy を修飾)
単なる否定ではなく、「~どころではない」という意味で、多くの場合、話し手の強い感情を伴う
「難しい」ことが強調されている
否定を表す語の特徴を理解して使いこなしましょう。
こちら↓も参考にしてください。