今回は品詞についてお伝えします。
単語の意味や文中での役割などによって分類したのが品詞で、名詞、動詞、形容詞、副詞、代名詞、前置詞、接続詞、間投詞、の8種類あります。
それに冠詞と助動詞を加えて10種類と考えることもあります。
役割によって8つまたは10のグループに分かれていると考えると、分かりやすいかもしれません。
なお、一つの単語が一つの品詞とは限りません。
また、一つの単語だけではなく、句(SVを含まない2語以上のまとまり) や節(SVを含む2語以上のまとまり) にも品詞があります。
語・句・節については、こちら↓を参考にしてください。
なぜ品詞の理解が大切か
母語である日本語は、品詞を意識することは少ないかもしれません。
例えば、次の文は表現方法が違いますが、ほぼ同じ意味を表しています。
1. あの女性は歌うのが上手です。
2.あの女性は上手に歌います。
1. と 2. を比較すると、次のように表現方法が違います。
1. 歌う ⇔ 2. 歌い
1. 上手です ⇔ 2. 上手に
日本人なら意識しなくても自然に適切な表現を選択することができると思いますが、英語の場合は日本語と同じくらい「自然に」できないこともあると思います。
また、発信した英語が正しいかどうか自信がない場合もあるかもしれません。
そのようなときに役立つのが「品詞の理解」です。
「品詞を意識したことがなかった」という人が多いのですが、それぞれの品詞の使い方を知っておくことで、正しく発信できるようになるので、是非マスターしましょう。
問題
下線部の語・句・節の品詞を答えましょう。
1. I know that he used to live in Paris.
2. I read a book that is popular with young girls.
3. The baby is ①fast ②asleep.
4. I watched TV after dinner.
5. A man in a dark suit is my uncle.
6. When I was a child, I would often play soccer.
7. He left the door open.
8. Restaurants usually open at 11:00 am.
9. We bought less costly heavy oil.
10. It was raining; however they played soccer.
11. Although it was raining, they played soccer.
12. Please submit an ①application form ②online.
解説
それぞれの品詞は色々な場面で使われます。
まずは、それぞれの品詞の特徴と、どのような場合に使われるかについて確認しておきましょう。
1.名詞 (人や物事の名前を表す)
★文の中で、主語(S)、目的語(O)(1.)、補語(C)になる。
★冠詞、所有格、形容詞、前置詞の後に置かれる。
★可算名詞と不可算名詞に分けられる。
★形容詞的に使われ、修飾する名詞の内容や目的などを表す。(12.①)
2.動詞 (主語の動作や状態を表す)
★文の中で述語動詞(V)になる。(8.)
★原形、現在形、過去形などの活用形がある。
★形を変え、不定詞、動名詞、分詞として使われる。
(この3つをまとめて「準動詞」と呼びます。)
★助動詞の後に置かれる。
★どこに注目するかによって、次のように分けられる。
1.be動詞と一般動詞
2.自動詞と他動詞
3.完全動詞と不完全動詞
4.状態動詞と動作動詞
3.形容詞 (名詞の性格、性質、状態などを表す)
★文の中で補語(C)になる。(3.②7.)
(この使い方を「叙述用法」といいます。)
★名詞を修飾し、名詞の性質や特徴などを表す。(2.5.9.)
(この使い方を「限定用法」といいます。)
4.副詞 (様子、程度、時、場所などを表す)
★文の要素にならない。
つまり、副詞がなくても文が成り立ちます。
★大よその決まりはありますが、他の品詞のように決まった位置はない。
★動詞(4.12.②)、形容詞(3.①)、別の副詞、句、節(6.10.)、などを修飾する。
5.代名詞 (名詞の繰り返しを避けるため、主に一度話題にのぼった名詞の代わりに使われる)
★文の中で、主語(S)、目的語(O)、補語(C)になる。
★人称代名詞、指示代名詞、不定代名詞がある。
6.前置詞 (名詞・代名詞の前に置かれる)
★「前置詞+名詞」のかたまりで、形容詞(5.)や副詞(4.)の働きをする。
7.接続詞 (語と語、句と句、節と節を結ぶ)
★次の2種類がある。
1.それぞれを対等な関係で結ぶ等位接続詞
2.それだけで文が成立する主節と、それだけでは成立せず主文があって初めて意味を成す従属節を結ぶ従位接続詞 (11.)
8.間投詞 (感動、驚き、喜び、悲しみ、怒りなどの感情を表す)
★文の中で独立して使う。
★Oh, Hi, Wow, Oops, など、数は限られている。
9.冠詞 (名詞の前に置かれる)
★a / an / the の3種類。
10.助動詞 (動詞だけでは表せないことを表す)
★原則的に動詞の原形と共に使う。
★話者の気持ち、確信の度合い、丁寧さなどを表す。
文型については、こちら↓を参考にしてください。
解答
1. I know that he used to live in Paris.
名詞節
動詞 know の目的語
that は接続詞
2. I read a book that is popular with young girls.
形容詞節
名詞 book を修飾している。
that は関係代名詞
3. The baby is ①fast ②asleep.
① 副詞
形容詞 asleep を修飾している。
★fast には次のように形容詞の用法もある。
He is a fast runner.
形容詞の fast が名詞の runner を修飾している。
② 形容詞
第2文型(SVC) の補語
4. I watched TV after dinner.
副詞句 (前置詞+名詞)
動詞 watched を修飾している。
5. A man in a dark suit is my uncle.
形容詞句 (前置詞+名詞)
名詞 man を修飾している。
6. When I was a child, I would often play soccer.
副詞節 (従位接続詞+節)
7. He left the door open.
形容詞
第5文型(SVOC) の補語
8. Restaurants usually open at 11:00 am.
動詞
文の述語動詞
9. We bought less costly heavy oil.
形容詞
名詞 heavy oil(形容詞+名詞) を修飾している。
★ -ly がつくと副詞とは限らないので注意が必要。
形容詞 + -ly → 副詞
名詞 + -ly → 形容詞
10. It was raining; however they played soccer.
(接続)副詞
★副詞には2つの節を繋ぐ役割はない。
ここでは「; (セミコロン)」が等位接続詞の代わりをしている。
「, (コンマ) +副詞」で2つの節を繋ぐことはできないので注意が必要。
✖ It was raining, however they played soccer.
11. Although it was raining, they played soccer.
(従位)接続詞
it was raining と they played soccer という2つの節を繋いでいる。
12. Please submit an ①application form ②online.
① 名詞
通例形容詞が名詞を修飾するが、名詞が形容詞的な働きをすることがある。
「名詞+名詞」を一つの名詞(複合名詞)と考えることもできる。
② 副詞
動詞 submit を修飾している。
★online には形容詞の用法もある。
Please submit an online application form.
形容詞の online が名詞の application form を修飾している。
名詞が名詞を修飾する場合については、こちら↓を参考にしてください。
詳細はこちら↓を参考にしてください。
www.keiko.work keikoringbasic.hatenablog.jp
こちら↓も参考にしてください。