今回は関係代名詞と関係副詞の使い分け方や、限定用法と非限定用法の違いについてお伝えします。
関係詞を正しく使いこなせていない人が多いです。なんとなく分かったような気がしていても、実は正しく使えていないこともあるので、細かい違いを確認しておきましょう。
問題
適切な語を選びましょう。
1. This is the park ( it / which / where ) I walk every morning.
2. The restaurant ( that / its / whose ) owner I know well will be renovated.
3. November 3 is the day ( which / when / that ) I left Japan.
4. I cannot decide ( which / that / what ) I will do tomorrow.
5. He is a man ( which / whose / whom ) I work with.
6. This is ( what / which / how ) I met him.
7. She lives in Kyoto ( where / which / , which ) has a lot of places to visit.
8. This is a hotel ( where / which / it ) my grandfather designed.
9. I saw a man ( whom / who / what ) I think was his father.
10. I met his father ( , who / he / , that ) is a famous writer.
解説と解答
関係代名詞は「接続詞と代名詞」の二つの役割を兼ねています。
関係副詞は「接続詞と副詞」の二つの役割を兼ねています。
まずは代名詞、副詞、接続詞の役割を確認しましょう。
代名詞:
名詞の代わりに使われ、主語、目的語などの文の要素になる。
「代名詞の所有格+名詞」が文の主語、目的語、などの文の要素になる。
代名詞についてはこちら↓も参考にしてください。
副詞:
動詞、形容詞、副詞、文全体などを修飾します。
修飾語として使われ、文の要素にはなりません。
つまり、副詞がなくても文は成立します。
副詞についてはこちらも参考にしてください。
等位接続詞:
「語と語」「句と句」「節と節」などを対等な関係で結びます。
and / but / or などがあります。
等位接続詞についてはこちら↓も参考にしてください。
問題を解く際の考え方
1.2つの節があるとき
2つの節があるときは、接続詞が必要。
接続詞の役割を持つ関係詞も選択可能。
2.関係代名詞+不完全な文
関係代名詞の後には、主語や目的語が欠けた不完全な文が続いている。
(関係代名詞節全体で完全な文となる)
関係代名詞は欠けている要素を補う。
2-1 主語が欠けていれば主格。
2-2 目的語が欠けていれば目的格。(目的格は省略可能)
2-3「所有格+名詞」の所有格が欠けていれば所有格。
「所有格+名詞」は関係代名詞節の主語や目的語として使われます。
先行詞(関係詞節が修飾する名詞など)によって次のように使い分ける。
2-A 人 ― 主格:who / that
2-B 人 ー 目的格:who(m) / that (口語ではwhoも使われます)
2-C 人以外 ー 主格:which / that
2-D 人以外 ー 目的格:which / that
2-E 人でも人以外でも ー 所有格 whose
2-F 関係代名詞 what は先行詞を含んでいます。
その他の関係詞節は原則的に先行詞を修飾する形容詞の役割をしますが、what を含む関係代名詞節は「~すること・もの」という意味で、名詞の役割をします。
what は関係代名詞節の、主語、補語、目的語として使われます。
3.関係副詞+完全な文
関係副詞の後には、必要な文の要素が全てそろっている完全な文が続いている。
先行詞によって次のように使い分ける。
3-1 場所を表す語 ― where
3-2 時を表す語 ― when
3-3 reason(s) ― why *どちらかだけを使うことも多い。
3-4 なし ― how *方法を表す。how の代わりに the way を使うこともある
4. コンマなしの限定用法とコンマありの非限定用法
限定用法:
「~の男性」「~のレストラン」のように、たくさんの男性やレストランの中から先行詞を限定する場合はコンマなし。
非限定用法:
限定するのではなく、補足情報として関係詞節を続ける場合は関係詞の前にコンマが必要。
先行詞が特定の人やものの時には、既に限定されているため、限定用法ではなくコンマをつけた非限定用法で表します。
2つの違い:
★つまり、限定用法と非限定用法は、他にもいる[ある]のか、その人[それ]しか(い)ないのかが違います。
★他にもいる[ある]中で、「関係詞節で説明されている特徴を持つ~」と限定するのなら限定用法(コンマなし)、一人[ひとる]しか(い)ない人や事柄を補足的に説明するのなら非限定用法(コンマあり)です。
制限用法と非制限用法については、こちら↓も参考にしてください。
全ての文は2つの節から成り立っているので(1.)、接続詞の役割を持つ関係詞を選択します。
1. This is the park ( it which where ) I walk every morning.
3-1 I walk every morning(S+自動詞+副詞)は完全な文
→関係副詞の where を選択
2. The restaurant ( that / its / whose ) owner I know well will be renovated.
2-3-E 所有格が欠けている(可算名詞の owner だけでは不完全)
→ 関係代名詞の所有格の whose を選択
whose owner が関係代名詞節の目的語になっている
3. November 3 is the day ( which / when / that ) I left Japan.
3-2 I left Japan(S+他動詞+O) は完全な文
→ 関係副詞の whenを選択
4. I cannot decide ( which / that / what ) I will do tomorrow.
2-F 関係代名詞節の中の目的語が欠けている(doは他動詞なので目的語が必要)
先行詞がない
→先行詞を含む関係代名詞の what を選択
what が関係代名詞節の目的語になっている
5. He is a man ( which / whose / whom ) I work with.
2-2-B 前置詞 with の目的語が欠けている
→ 関係代名詞の目的格の whom を選択
前置詞を関係代名詞の前に置くことも可能(文語的)
He is a man with whom I work.
ただし、このときは with who ということはできない
6. This is ( what / which / how ) I met him.
3-4 I met him (S+他動詞+目的語)は完全な文
先行詞がなく、方法やなりゆきを表す完全な文が続いている
→ 関係副詞の how を選択
7. She lives in Kyoto ( where / which / , which ) has a lot of places to visit.
2-1-A & 4 先行詞の Kyoto は一つしかないので、非限定用法で表す
(限定用法で表すと、いくつかある中の「~という京都」という意味になる)
関係代名詞節の中の主語が欠けている
→ 関係代名詞の主格の , which を選択
8. This is a hotel ( where / which / it ) my grandfather designed.
2-2-D 関係代名詞節の中の目的語が欠けている(designは他動詞なので目的語が必要)
→ 関係代名詞の目的格の which を選択
9. I saw a man ( whom / who / what ) I think was his father.
2-1-A 関係代名詞節の中の主語が欠けている
→ 関係代名詞の主格の who を選択
ここ大事!
I think は挿入表現なので、関係代名詞節の中の文の要素ではない
(I think はないものとして考えると、文構造が理解しやすい)
10. I met his father ( , who / he / , that ) is a famous writer.
2-1-A & 4 関係代名詞節の中の主語が欠けている
his father は通常一人しかいないので、補足情報として非限定用法で表す
→ 関係代名詞の主格の , who を選択
(限定用法で表すと何人かいるうちの「~な彼のお父さん」という意味になる)
ここ大事
なお、that も主格として使うことができますが、コンマの後に続けることはできません。(thatは非制限用法で使うことはできません)
なんとなくではなく正しく理解して、正しい文を書けるようになりましょう。
お読みいただき、ありがとうございました。
こちら↓も参考にしてください。