SVO の後に動詞が変化した語が入ることがあり、どの形が入るかは述語動詞や意味によって変わります。
今回は補語の位置に、動詞が変化した語が入る場合の選択方法についてお伝えします。
問題
適切な語を選びましょう。
1. Tom had a taxi ( to wait waiting waited ).
トムはタクシーを待たせていました。
2. I had my hair ( to cut cutting cut ).
私は髪を切ってもらいました。
3. My parents let me ( to go go going ) to the party.
両親は私にそのパーティーへ行かせてくれました。
4. Tom kept his expression ( unchange unchanging unchanged ).
トムは表情を変えませんでした。
5. Mary got the engine ( run running ran ).
メアリーはエンジンをかけました。
6. I smelled something ( to burn burn burning ).
何かが燃えている様なにおいがしました。
7. He found his daughter ( to wait wait waiting ) for him at the station.
彼は駅で娘が自分を待っているのを見つけました。
8. I heard my name ( call calling called ).
私は自分の名前が呼ばれるのが聞こえました。
9. The Internet has enabled us ( to get get getting ) information easily.
インターネットのおかげで容易に情報を得ることができます。
10. I saw Tom ( to wait wait waiting ) for a bus while I was taking a walk.
散歩中にトムがバスを待っているのを見かけました。
11. I got my car ( to repair repairing repaired ) yesterday.
私は昨日車を修理してもらいました。
12. I saw him ( to enter enter entered ) the building.
私は彼が建物に入るのを見ました。
5文型
5文型については、こちら↓を参考にしてください。
第5文型
簡単に第5文型 (SVOC) について確認しておきましょう。
I made her happy.
私は彼女を幸せにしました。
形容詞の happy は、目的語の her の説明をしています。
We named our son Luke.
私たちは息子をLukeと名づけました。
名詞の Luke は、目的語の our son の説明をしています。
このように、多くの場合、補語(C) には形容詞や名詞が用いられることが多いのですが、その位置に動きを表す動詞が変化した語 (to 不定詞、原形不定詞、現在分詞、過去分詞) が用いられることがあります。
解答
1. Tom had a taxi ( waiting ).
2. I had my hair ( cut ).
3. My parents let me ( go ) to the party.
4. Tom kept his expression ( unchanged ).
5. Mary got the engine ( running ).
6. I smelled something ( burning ).
7. He found his daughter ( waiting ) for him at the station.
8. I heard my name ( called ).
9. The Internet has enabled us ( to get ) information easily.
10. I saw Tom ( waiting ) for a bus while I was taking a walk.
11. I got my car ( repaired ) yesterday.
12. I saw him ( enter ) the building.
解説
どの形をとるかは①意味と②述語動詞によって変わります。
ただし、どの動詞でもこのように分けられるわけではなく、使われる動詞は限られているので注意が必要です。
①意味によって使い分ける
目的語(O) と補語(C) の関係が「能動」か「受動」かを 考えます。
能動なら、動詞や意味によってto 不定詞 / 原形不定詞 / 現在分詞のどれかを選択します。(「②述語動詞によって使い分ける」をご覧ください)
次のような述語動詞が用いられるとき、目的語と補語の関係が受動なら補語に過去分詞を置きます。
1.keep / leave / find / like / want / need など
4. Tom kept his expression ( unchanged ).
2.知覚動詞 (知覚動詞とは、見る、聞く、感じるなどの意味を持つ動詞)
see / hear / feel など
8. I heard my name ( called ).
3.let 以外の使役動詞 (使役動詞とは、文の主語が、それ以外の人や物に何かをさせるという意味を持つ動詞)
使役動詞のおおよその意味は以下の通りです。
have (~してもらう、被害を受けるなど)
2. I had my hair ( cut ).
比較
I cut my hair. なら自分で髪を切ったという意味です。
get (~してもらう、口語でよく使われます)
11. I got my car ( repaired ) yesterday.
make (~されるようにする、make oneself understood / make oneself heardがよく使われます )
例)
I could not make myself understood in English.
(英語で自分の言っていることを理解してもらえませんでした)
理解するのは相手で、話者は理解してもらえなかった(受動)ので、過去分詞を用います。
比較
I could not understand his English. (SVOの第3文型)
(自分が)彼の(話す)英語を理解することができませんでした。
②述語動詞によって使い分ける
述語動詞に用いられる動詞によって、「to 不定詞」か「原形不定詞」かを選びます。「現在分詞」が使われる場合もあります。
1.to 不定詞が用いられる述語動詞
1.want / would like / tell / ask / advise / request / order / expect / allow / permit / encourage / enable / force / compel / など
9. The Internet has enabled us ( to get ) information easily.
注)
suggest / explain / insist / demand などのように、SVO + to不定詞の型を取れない動詞もあるので注意しましょう。
✖ I suggested him to read this book.
〇 I suggested that he should read this book.
2.使役動詞の get (人に~させる、口語でよく使われます)
2.原形不定詞が用いられる述語動詞
原形不定詞は一般的に動詞の原形と呼ばれています。
1.help (文語では to 不定詞が用いられることもあります)
2.知覚動詞 (知覚動詞とは、見る、聞く、感じるなどの意味を持つ動詞)
see / watch / hear / feel / notice / observe など
12. I saw him ( enter ) the building.
注)
smell は現在分詞を続けることはできますが、原形不定詞を続けることができないので注意しましょう。
6. I smelled something ( burning ).
3.get 以外の使役動詞 (使役動詞とは、文の主語が、それ以外の人や物に何かをさせるという意味を持つ動詞)
使役動詞のおおよその意味は以下の通りです。
have (人に~してもらう、~させる)
make (強制的にさせる、~させる)
let (自由に~させる)
3. My parents let me ( go ) to the party.
3.現在分詞が用いられる述語動詞
1.like / want / start / keep / leave / find / catch など
7. He found his daughter ( waiting ) for him at the station.
2.知覚動詞 (知覚動詞とは、見る、聞く、感じるなどの意味を持つ動詞)
see / watch / hear / feel / notice / observe / smell など
6. I smelled something ( burning ).
10. I saw Tom ( waiting ) for a bus while I was taking a walk.
3.make と let 以外の使役動詞 (使役動詞とは、文の主語が、それ以外の人や物に何かをさせるという意味を持つ動詞)
使役動詞のおおよその意味は以下の通りです。
have (人や物に~させる、~という経験をする)
原形を用いる場合は「人に~させる」という場合で、「物に~させる」ときは現在分詞を使うのが自然です。
1. Tom had a taxi ( waiting ).
get (多くの場合、物を…している状態にする)
5. Mary got the engine ( running ).
ここ大事!①
知覚動詞は原形不定詞が用いられるときと、現在分詞が用いられるときは次のような違いがあります。
①原形不定詞
動作の一部始終を見たり聞いたりした場合
②現在分詞
動作の一部を見たり聞いたりした場合
ここ大事!②
「物に~させる」場合は、have の後に現在分詞を伴うのが自然です。
「人に~させる」場合は、原形も現在分詞も使えます。
明確な区別はないようですが、次の文のように容認できないことを表す場合は、原形よりも現在分詞を使うことが多いようです。
I will not have my son wearing such a shirt.
息子にあんなシャツを着せておくわけにはいきません。
それぞれの動詞や意味によって使い方が違うので、迷ったら辞書で確認するようにしましょう。
使役動詞と知覚動詞の使い方のまとめ
動詞 to do do doing done
make ✖ 〇 ✖ 〇
have ✖ 〇 〇 〇
get 〇 ✖ 〇 〇
let ✖ 〇 ✖ ✖
see ✖ 〇 〇 〇
watch ✖ 〇 〇 ✖
hear ✖ 〇 〇 〇
listen(to) ✖ 〇 〇 ✖
feel ✖ 〇 〇 〇
notice ✖ 〇 〇 ✖
observe ✖ 〇 〇 ✖
smell ✖ ✖ 〇 ✖
お読みいただき、ありがとうございました。
こちら↓も参考にしてください。