今回は、能動態の文の文型に注目して受動態についてお伝えします。
問題
可能なら、下線の引いてある単語を主語にした受動態の文にしましょう。なお、受動態にならない場合も含まれています。
1. Tom chose her a dress.
1-1 She
1-2 A dress
2. Tom must finish this report by the end of this month.
2-1 This report
3. He met Tom at the party.
3-1 Tom
4. We call him Mike.
4-1 He
4-2 Mike
5. I teach Tom Japanese.
5-1 Tom
5-2 Japanese
解答
1-1 人(She) を主語にした受動態は不自然
1-2 A dress was chosen for her (by Tom).
2-1 This report must be finished (by Tom) by the end of this month.
3-1 meet を受動態で表すのは不自然
4-1 He is called Mike (by us).
4-2 Mike は目的語ではなく補語なので受動態の主語になりません。
5-1 Tom is taught Japanese (by me).
5-2 Japanese is taught to Tom (by me).
解説
述語動詞の後に副詞(句) などが続く場合、「by +動作主」は文尾に置くこともありますが、述語動詞の直後におかれることが多いようです。
どんな場合でも、能動態の文の目的語を主語にして受動態にできるわけではないので注意しましょう。
注)
次のような、数量を表す動詞や、意志に関係のない動作を表す動詞などは受動態になりません。
hold (~を収容する) / have (~を持つ)/ cost (費用がかかる) / resemble (~に似ている)/ meet (~に会う) など
3-1 meet を受動態で表すのは不自然
能動態の文型ごとに考えてみましょう。
第3文型 (SVO)
His children love him very much.
→ He is loved by his children very much.
2-1 This report must be finished (by Tom) by the end of this month.
第4文型 (SVOO)
目的語は「人」→「物」
第4文型には目的語(O)が2つあるので、単純に考えると2種類の受動態が できそうですが、実際にはそうではありません。(中学校では、単純に2種類あると習ったような・・・)
第4文型で使われる動詞は、第3文型にしたときに「人」の前に必要な前置詞によって、2種類に分けられます。
1.give 型(人の前にto)
2.buy 型(人の前にfor)
目的語として「物」を先に置くと、「人」の前には 前置詞 to / for / of のどれかが必要です。
「前置詞+名詞」は文の要素にならないので、文型は 第3文型(SVO) になり、「物」→「人」の順で目的語が2つ続くことはありません。(別の言い方をすると、第4文型の目的語は必ず「人」→「物」の順です。)
第3文型と第4文型の違いについては、こちら↓を参考にしてください。
それでは、1. give 型と 2. buy 型の2つに分けて、どのように受動態にするかをお伝えします。
1. give 型
She gave him a watch.
(1) 人(him) を主語にする
He was given a watch (by her).
5-1 Tom is taught Japanese (by me).
(2) 物(a watch) を主語にする
△ A watch was given him (by her).
〇 A watch was given to him (by her).
ここ大事!
「人」の前に「to」を入れるのが自然です。
5-2 Japanese is taught to Tom (by me).
2. buy 型
She made him this table.
(1) 人(him) を主語にする
✖ He was made this table (by her).
ここ大事!
buy 型の動詞を使った文を受動態にする際は、原則的に人を主語にするのは不自然だと考えられています。( buy だけは可能だそうですが、実際にはあまり使われないようです)
1-1 人(She) を主語にした受動態は不自然
(2) 物 (this table) を主語にする
✖ This table was made him (by her).
〇 This table was made for him (by her).
ここ大事!
「人」の前に「for」が必要です。
1-2 A dress was chosen for her (by Tom).
第5文型 (SVOC)
補語(C) を「be動詞+過去分詞」の後に続けます。
She named her cat Tama.
→ Her cat was named Tama (by her).
4-1 He is called Mike (by us).
注)
✖ Tama was named (by her).
Tama は目的語(O)ではなく補語(C)なので、受動態の主語にはできません。
4-2 Mike は目的語ではなく補語なので受動態の主語になりません。
すぐに受動態にするのが難しい場合は、一度能動態にすると簡単です。
特に第4文型には注意が必要です!!
お読みいただき、ありがとうございました。
よろしければ、こちら↓も参考にしてください。