今回は不定詞と動名詞の能動態と受動態についてお伝えします。
まずは不定詞と動名詞について簡単に確認しておきましょう。
不定詞の形
動詞の原形の前に to を置きます。
動名詞の形
動名詞は動詞の原形に~ingをつけます。
不定詞と動名詞の役割
「不定詞の名詞的用法」も「動名詞」も文中で名詞の働きをします。
純粋な(?)名詞と同じように、主語、補語、目的語になります。
また、動名詞は前置詞の後ろに続けることもできます。
注意!
不定詞の名詞的用法は、前置詞の後に続けることはできません。
○ Tom is good at playing the piano.
× Tom is good at to play the piano.
ここ大事!
不定詞も動名詞も元が動詞なので、動詞の性質も持っています。
そのため、以下のように純粋な(?)名詞にはない特徴があります。
1.意味上の主語がある
2.補語や目的語や副詞を伴う
3.否定形がある(~でないこと)
4.時制がある
5.能動(~する)と受動(~される)がある
問題
次の日本語に合うように空欄に適切な語を入れましょう。ただし一語とは限りません。
1. Mary avoided ( ) by her mother.
メアリーはお母さんに叱られないようにしました。
2. I postponed ( ).
私は彼のメールへの返事を見合わせました。
3. We had frustrations at ( ).
私たちは、評価されなかったことに失望しました。
4. I managed ( ) the deadline.
私はなんとか締切に間に合いました。
5. This machine needs ( ).
この機械は修理する必要があります。
6. She is proud of ( ) for that job.
彼女はあの仕事に選ばれたことを誇りに思っています。
7. This bridge appears ( ) a long time ago.
この橋はかなり前に架けられたように見えます。
解答と解説
1. Mary avoided ( being scolded ) by her mother.
メアリーはお母さんに叱られないようにしました。
avoid は(動作を表す)目的語に、不定詞ではなく動名詞を用います。
叱るのはお母さんで、主語の「メアリー」は叱られます(受動)。
動名詞の受動態は「being + 過去分詞」で表します。
2. I postponed ( answering his email ).
私は彼のメールへの返事を見合わせました。
postpone は(動作を表す)目的語に、不定詞ではなく動名詞を用います。
主語の「私」が返事をします(能動)。
3. We had frustrations at ( not being appreciated ).
私たちは、評価されなかったことに失望しました。
前置詞の(動作を表す)目的語には、不定詞ではなく動名詞を用います。
主語の「私たち」は評価されませんでした(受動)。
動名詞の受動態は「being+過去分詞」で表します。
否定語(not) は動名詞の直前に置きます。
4. I managed ( to meet ) the deadline.
私はなんとか締切に間に合いました。
manage は(動作を表す)目的語に、動名詞ではなく不定詞を用います。
主語の「私」が間に合わせます(能動)。
5. This machine needs ( to be repaired / repairing ).
この機械は修理する必要があります。
need は(動作を表す)目的語に、不定詞も動名詞も両方とも用います。
主語の「この機械」は修理されます(受動)。
不定詞の受動態は「to be+過去分詞」で表します。
ここ大事!
不定詞を用いる場合は「物 need+to be+過去分詞」のように受動態になりますが、動名詞が続く場合は能動態であることに注意。
「物+need +~ing」は「物が~する必要がある」という意味。
詳しくはこちら↓を参考にしてください。
6. She is proud of ( having been chosen ) for that job.
彼女はあの仕事に選ばれたことを誇りに思っています。
前置詞の(動作を表す)目的語には、不定詞ではなく動名詞を用います。
主語の「彼女」は選ばれました(受動)。
動名詞が、述語が表す時(ここでは is が表す現在) より前のことを表す際の受動態は「having been+過去分詞」で表します。
動名詞が表す「時」については、こちら↓を参考にしてください。
7. This bridge appears ( to have been built ) a long time ago.
この橋はかなり前に架けられたように見えます。
appearは(動作を表す)目的語に、動名詞ではなく不定詞を用います。
主語の「この橋」は架けられました(受動)。
注意!
「橋を架ける」はbuild a bridge です。
buildといえば「家などを建てる」という意味が最初に思い浮かぶかもしれませんが、「材料を合わせて(橋、船、道路、家具などを)組み立てる」という意味もがあります。
不定詞が、述語が表す時(ここでは appearsが表す現在) より前のことを表す際の受動態は「to have been+過去分詞」で表します。
不定詞が表す「時」については、こちら↓を参考にしてください。
まとめ
(動名詞と不定詞の受動態と述語動詞より前の時を表すそれぞれの形)
動名詞
受動態: being+過去分詞 ( 1. )
述語動詞より前の受動態: having been+過去分詞 ( 6. )
不定詞
受動態: to be+過去分詞 ( 5.)
述語動詞より前の受動態:to have been+過去分詞 ( 7. )
能動態と受動態のそれぞれの形を確認しておきましょう。
お読みいただき、ありがとうございました。
こちら↓も参考にしてください。