英文を読んだり聞いたりしていると色々な箇所で that にお目にかかりますよね。今回は that の品詞に注目してお伝えします。
問題
それぞれの that の品詞と意味を考えましょう。
1. I think that he will pass the test.
2. The climate of Hiroshima is milder than that of Hokkaido.
3. Work and play are both necessary to us; this gives us rest, and that energy.
4. I am glad that he is doing well.
5. It is my sister that called me yesterday.
6. Please bring me that coat.
7. This is the house that the poet lived in.
8. It is important that we do exercise regularly.
9. The restaurant was not that nice.
10. I was surprised at the news that they got married.
解答と解説
1. I think that he will pass the test.
接続詞
名詞節をつくり、「~ということ」という意味で、that 以下が think の目的語になっています。
比較
1'. I will give him something nice when he passes the test.
このように時や条件を表す副詞節内は未来のことも現在形で代用します。
ところが1.のような名詞節内は未来のことは未来形で表します。
ここ大事!
名詞節か副詞節か
以下のように考えて判断しましょう。
1. は that 以下が think の目的語になっているので名詞節
1'. は when 以下がなくても文が完成しているので副詞節
2. The climate of Hiroshima is milder than that of Hokkaido.
指示代名詞
前出の名詞の繰り返しを避けるために使われています。
3. Work and play are both necessary to us; this gives us rest, and that energy.
指示代名詞
that の後に gives us が省略されています。
この文は、All work and no play makes Jack a dull boy.(よく遊び良く学べ) ということわざを連想させますね(^^♪
ここ大事!
this は話者にとって物理的、心理的に近い人、物などを指します。
that は話者にとって物理的、心理的に遠い人、物などを指します。
this は(後ろの文から近い)「後者」つまり play を、that は「前者」つまり work を表します。
逆だと思っている人が多いので要注意!!
補足
パンクチュエーションにも注意しましょう。「;(セミコロン)」は等位接続詞(and / but or)と同じ役割を持っています。
4. I am glad that he is doing well.
接続詞
名詞節を導いています。
glad / afraid / sorry / surprised / proud / thankful / delighted / pleased / disappointed などの感情を表す形容詞の後に続き、その感情の原因や理由などを表します。
注)形容詞を修飾する副詞節という考え方もあります。詳しくはこちら↓を参考にしてください。
比較
4'. I am glad to hear that he is doing well.
不定詞の副詞的用法でも同じように感情の原因を表すことができます。
5. It is my sister that called me yesterday.
関係代名詞
that の代わに関係代名詞の who を用いることもできます。
この文は強調構文で「my sisiter」を強調しています。
比較
普通は My sister called me yesterday.
6. Please bring me that coat.
形容詞
coat という名詞を修飾しています。
7. This is the house that the poet lived in.
関係代名詞
前置詞 in の目的語がないため、関係代名詞の目的格として that が用いられています。
比較
7'. × This is the house in that the poet lived.
〇This is the house in which the poet lived.
文語的な表現ですが、関係代名詞の前に前置詞を置くこともできます。
ただし that はこのような使い方はできません。
補足
先行詞が次のような場合、thatが好まれます。
1. 最上級や the same 、the only などの特定のもの
He is the only student that can speak Chinese in this class.
2. all / every / any / no などを伴う場合や everything / anything / nothing
I received everything that I ordered.
3. 人と物や動物などの両方を含む場合
Look at the man and the cat that are running over there.
8. It is important that we do exercise regularly.
接続詞
名詞節を導いています。
it は形式主語(または仮主語)で、that 以下は真主語です。
主語が長い場合などに、このような形を取ります。
9. The restaurant was not that nice.
副詞
形容詞や副詞を修飾して「それほど」などという意味で主に口語で使われます。
10. I was surprised at the news that they got married.
接続詞
名詞の内容を that以下が説明しています。
同格の that と呼ばれます。
注意
どんな名詞でも同格の that を用いて名詞の内容を説明できるわけではないので注意が必要です。
例えば以下のような名詞は可能です。
news / report / rumor / fact / chance / idea / opinion / belief / suggestion / decision / demand / hope など
その名詞が同格のthat を用いて内容説明ができるかどうかわからない時は辞書で確認しましょう。
比較
5. It is my sister that called me yesterday.
7. This is the house that the poet lived in.
5. も 7. も 関係代名詞の that ですが、that以下の文は不完全です。
5. は主語が欠け、7. は前置詞の目的語が欠けています。
10. I was surprised at the news that they got married.
同格の that 以下は完全な文です。
一見簡単そうな that ですが実は色々な役割をこなしています。
アウトプットの際はもちろん、品詞も理解することで英文をより正確に読むことができるようになります。
お読みいただき、ありがとうございます。
よろしければこちら↓も参考にしてください。