今回は助動詞を使った文の「過去形」についてお伝えします。 can → could、may → might、will → would のように助動詞を過去形に変えれば時制が過去になるとは限らないので要注意です。
問題
日本語に合うように( )内の動詞を使って、空欄に適切な語を入れましょう。なお、一語とは限りません。
1. Tom ( ) well when he was a child. (swim)
子どもの頃、トムは上手に泳ぐことができました。
2. Tom ( ) home. (stay)
トムは家にいたかもしれません。
3. Tom ( ) . (oversleep)
トムは寝坊したに違いありません。
4. Tom ( ) the first prize in the contest. (win)
トムはそのコンテストで1位を獲得することができました。
5. Tom ( ) socer with his friends when he was a child. (play)
子どもの頃、トムはよく友達とサッカーをしたものです。
6. Tom ( ) such a thing. (say)
トムがそんなことを言ったはずがありません。
7. Tom ( ) natto. (eat)
トムはどうしても納豆を食べませんでした。
8. Tom ( ) his report by Monday. (finish)
トムは月曜日までにレポートを終えなければいけませんでした。
9. Tom ( ) the truth to her. (tell)
トムは彼女に事実を伝えるべきではなかったのに(伝えました)。
10. Tom ( ) dinner yesterday. (cook)
トムは昨日夕飯を作る必要はなかったのに(作りました)。
11. Tom ( ) the first prize in the contest. (win)
トムはそのコンテストで1位を獲得することができませんでした。
12. Tom ( ) the ticket. (receive)
トムはそのチケットを受け取ることができたのに(受け取りませんでした)。
解答と解説
最初に確認しておきたいのは、助動詞の過去形についてです。
(can →) could
(may →) might
(shall →) should
(will →) would
のように助動詞には「過去形」がありますが、これを使えば「過去」を表せるとは限りません。
助動詞は「現在形」、「過去形」と形が変化します。助動詞の「過去形」というのは、その形の呼び名だと考えると分かりやすいかもしれません。
1. Tom ( could swim / was able to swim ) well when he was a child. (swim)
子どもの頃、トムは上手に泳ぐことができました。
ここ大事!
過去にある一定期間継続的に持っていた能力についてcould または be able toで表します。
2. Tom ( may have stayed / might have stayed ) home. (stay)
トムは家にいたかもしれません。
ここ大事!
過去の出来事の推量を「may/might+have+過去分詞」で表します。
may の過去形の「might+動詞の原形」が過去を表すわけではありません。
mayよりmightの方が可能性が低くなります。
3. Tom ( must have overslept) . (oversleep)
トムは寝坊したに違いありません。
ここ大事!
過去の出来事の確信を「must+have+過去分詞」で表します。
4. Tom ( was able to win ) the first prize in the contest. (win)
トムはそのコンテストで1位を獲得することができました。
こことても大事!
過去の単発的な能力を表す場合、couldではなく be able to を使います。
または、場合によっては「苦労してやり遂げた」という意味の managed to を使うこともできます。
5. Tom ( would play / used to play ) socer with his friends when he was a child. (play)
子どもの頃、トムはよく友達とサッカーをしたものです。
ここ大事!
would で過去の習慣を表すことができます。
同じく過去の習慣を表す used toと違いにも注意が必要です。
would:
be動詞や liveなどの「状態動詞」を一緒に使うことはできません。
「動作動詞」を使って、過去を回想する場合に使います。
(現在はどうなのかはわかりません)
used to:
「動作動詞」だけでなく「状態動詞」も使うことができます。
「過去はそうだったが、今は違う」という意味です。
6. Tom ( cannot have said ) such a thing. (say)
トムがそんなことを言ったはずがありません。
ここ大事!
過去の出来事に関する強い否定の気持ちを「cannot+have+過去分詞」で表します。
7. Tom ( would not eat ) natto. (eat)
トムはどうしても納豆を食べませんでした。
ここ大事!
過去の強い拒絶をwould not で表します。
8. Tom ( had to finish ) his report by Monday. (finish)
トムは月曜日までにレポートを終えなければいけませんでした。
ここ大事!
過去の義務を「had to」で表します。
この意味の時は、「must+have+過去分詞」ではないので要注意です。
9. Tom ( should not have told ) the truth to her. (tell)
トムは彼女に事実を伝えるべきではなかったのに(伝えました)。
ここ大事!
過去に「やるべきだったのにやらなかったこと」、「やるべきでなかったのにやってしまったこと」を、「should (not)+have+過去分詞」で表します。
10.-A Tom ( need not have cooked ) dinner yesterday. (cook)
トムは昨日夕飯を作る必要はなかったのに(作りました)。
ここ大事!
過去に「やる必要はなかったのにやったこと」を「need not+have+過去分詞」で表します。
疑問文で、やる必要はなかったことに対し「やる必要があったのですか?」と尋ねる場合にも使いますが、この意味のneedを使った肯定文はありません。
動詞の need との比較
助動詞の need は主に否定文や疑問文で用いますが、堅い表現なので、10.のように「必要があったのに(なかったのに)…」という場合以外では動詞として使われることが多いようです。
ここ大事!
10.-A は助動詞の needを使っていますが、10.-Bのように動詞の need を使う場合は状況が違います。
10.-A Tom need not have cooked dinner yesterday.
「助動詞のneed+have+過去分詞」は「必要はなかったのに作った」
10.-B Tom did not need to cook dinner yesterday.
動詞の need の否定文は「必要はなかった」という事実だけを伝えています。
実際に作ったかどうかは、この文だけでは分かりません。
11. Tom ( could not win / was not able to win ) the first prize in the contest. (win)
トムはそのコンテストで1位を獲得することができませんでした。
ここ大事!
過去の単発的な能力がなかったこと表す場合(否定文では)、could not や was/were not able to で表します。
4.のような肯定文の場合(単発的な能力があった場合)は couldが使えないことに注意しましょう。
12. Tom ( could have received ) the ticket. (receive)
トムはそのチケットを受け取ることができたのに(受け取りませんでした)。
ここ大事!
過去に「やろうと思えばできたのにやらなかったたこと」を「could+have+過去分詞」で表します。
まとめ
助動詞を使って過去を表す場合には次の3通りがあります。
1.助動詞の過去形
私が知る限り、助動詞の過去形が過去を表すのは次の場合だけです。
① ある一定期間継続的に持っていた能力について表すcould
② 過去にできなかったことを表す could not
③ 過去の習慣を表す would
④ 過去の強い拒絶を表す would not
2.助動詞+have+過去分詞
ほとんどの場合、この形で過去を表します。
3.別の単語を使う
① 過去の単発的な能力を表す場合
(✖could) → was/were able to managed to
② 過去の義務を表す
(✖must) → had to
同じ助動詞でも意味によって過去を表す方法が違うので注意が必要です。
一度に全てを理解するのは難しいと思います。少しずつ覚えましょう。
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