現在形
「現在形」が表すのは「今この瞬間」とは限りません。
「文法用語」には分かりにくいものや、誤解を招くものが少なからずありますが、「時制」はその代表格ではないかと思います。
もし「現在形が表すのは今のこと」と思っていらっしゃるのなら、是非続きをお読みください。
「過去形」が表す「時」が、いつも「過去」とは限らないのは、こちら↓で説明しました。
↑(過去記事)でも説明したように、「過去形」がいつも「過去」の出来事を表しているわけではありません。
「現在形」も「過去形」も「時」を表しているというよりは、動詞の「形」の呼び名だと思った方が分かりやすいかもしれません。
例えば be動詞とplay を例にとると
原形 be play
現在形 am / are / is play / plays
過去形 was / were played
このようにそれぞれの動詞が語形変化します。
現在形が表す「時」
「現在形」は「今この瞬間」も含みますが、それだけではなく、それより前の「過去」やこれから先の「未来」も含みます。
どこに書いてあったかは覚えていませんが、「現在形」ではなく「現在、過去、未来形」にすべきだという意見を読んだことがあります。そのような名前がついていたらら、誤解する人はいなかったかもしれませんね。
「現在形」が使われるのは以下のような場合で、過去-現在-未来の広い「時」を含みます。なお、過去と未来は「現時点よりも」ということで、必ずしも20年前のことや10年後も続くなどと確定しているわけではありません。
1. 「状態動詞」を使う: 現在-過去-未来の状態
I live in NY. / I have two brothers.
注): 状態動詞は時間の幅があるため、これだけで「過去-現在-未来」の「状態」を表します。
2. 「動作動詞」を使う: 通常頻度を表す副詞を伴って現在-過去-未来の習慣
I visit NY every year.
I usually eat breakfast around 7:00.
注): 動作動詞は1回の動作や行為を表すため、「何度か」という意味の副詞を伴って初めて「習慣」を表します。
3. 真理やことわざ
Knowledge is power.
4. 時や条件を表す副詞節
Please call me when you arrive at the ariport.
We will not go out if it rains tomorrow.
副詞節については、こちら↓を参考にしてください。
5. 未来の代用
The last train leaves at 11:50 p.m.
現時点で確定していて変更の可能性が少ない未来の予定については、現在形を使って未来を表します。
「○月○日は何曜日」などのようなカレンダー上の事柄や、往来・発着を表す動詞がよく使われます。
6. 過去の代用
The passage explains about this plan.
多くの場合、文書や講義などの内容を表す際や新聞の見出しなどに現在形を使います。
よろしければ、↓こちらも参考にしてください。