今回は「時制の一致」について詳しくお伝えします。
問題
適切な語句を選びましょう。答えは一つとは限りません。
1. I thought that my mother ( is angry / was angry / will be angry ) at that time.
2. I asked him whether he ( wants / wanted / had wanted ) to visit the country.
3. I did not like natto when I was young but now I ( like / liked / had liked) it.
解説
時制の一致
まずは「時制の一致」について確認しておきましょう。
「時制の一致」とは「主節の動詞が過去形または過去完了形のとき、従属節の動詞も過去形または過去完了形になる」というルールです。例外もあります。
詳しくはこちら↓を参考にしてください。
主節と従属節
「時制の一致」の説明で使われる文法用語を確認しておきましょう。
★「節」とはS+Vを含む2語以上の固まりで、1つの文に2つ以上の節があるときは接続詞が必要です。(節が2つなら接続詞は1つ。節が3つなら接続詞は2つ。)
★接続詞には「等位接続詞」と「従位接続詞」の2種類があります。
★等位接続詞は「語と語」「句と句」「節と節」を対等な関係で結びます。
「対等な関係」とは、文法上両方とも同程度の重要度であることを表します。
and、but、or、nor、so、for が等位接続詞です。
等位接続詞については、こちら↓を参考にしてください。
★従位接続詞は「主節」と「従属節」を結びます。
主節と従属節は対等な関係ではありません。
主節はそれだけで意味を成しますが、従属節だけでは意味を成しません。
that、whether、if、when、while、as、before、after、since、until、because、(al)though などが従位接続詞です。
詳しくはこちら↓を参考にしてください。
こちら↓も参考にしてください
ここ大事!
意外と見落としがちですが、「時制の一致」が起こるのは「従属節の動詞」なので、変化させるのは従位接続詞を使った節の述語動詞の時制です。
「等位接続詞」を使った2つの節は対等な関係で、主節と従属節という関係ではないため、「等位接続詞」を使った文に「時制の一致」は起こりません。
解答
1. I thought that my mother ( is angry / was angry / will be angry ) at that time.
「時制の一致」のルールにより、主節の動詞の thought が過去形なので、従属節の動詞も過去形の was です。
2. I asked him whether he ( wants / wanted / had wanted ) to visit the country.
「時制の一致」のルールにより、主節の動詞の asked が過去形なので、従属節の動詞も過去形の wanted または過去完了形の had wanted です。
wanted ならその時点の希望、had wanted ならその時点までの継続的な希望を表します。
3. I did not like natto when I was young but now I ( like / liked / had liked) it.
等位接続詞の but 以下の節は「時制の一致」のルールに縛られません。文脈に応じた時制を選択しましょう。
now という副詞があるため現在形の like を選択しましょう。
こちら↓も参考にしてください。
まとめ
今回の問題は簡単だったと思いますが、2つ以上節があると自動的に時制の一致が起こるわけではなく、「接続詞が等位接続詞の場合は時制の一致は起こらない」ということを確認していただくためにお伝えしました。
従位接続詞を使った場合も例外があるので注意が必要です。
こちら↓も参考にしてください。