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英語の「意味上の主語」とは | 準動詞 |動名詞

文の中で果たす役割によって、単語は8または10の品詞にグループ分けされますが、品詞の中でも「動詞」はとても重要な役割を持っています。その動詞が形を変えた、動名詞、不定詞、分詞の3つまとめて「準動詞」と呼ばれています。

 

今回は動名詞の「意味上の主語」についてお伝えします。

 

動名詞は動詞が変化して名詞になったものなので、名詞の働きをしながら動詞の特徴も持っています。動詞と同様、動名詞にも「動作主」がいます(あります)。文の主語と区別して「意味上の主語」と呼ばれています。

 

問題

次の英文の動名詞主語(動作主)は誰でしょう。

 1.  She does not like smoking.

 

 2.  She does not like his smoking.

 

 3.  Would you mind opening the window?

 

 4.  Would you mind my opening the window?

 

 5.  Getting good excersie is important.

 

 

解答と解説

1.  She does not like smoking.

動名詞の意味上の主語と文の主語が同じときは、動名詞の前に何もおきません。動名詞 smoking の意味上の主語は、文の主語と同じ she です。

 

 2.  She does not like his smoking.

動名詞の意味上の主語と文の主語が異なる時は、動名詞の前に意味上の主語の所有格または目的格を置きます。動名詞 smoking の意味上の主語 his (→彼) です。

つまり、彼女は、彼がタバコを吸うのが嫌いだという意味です。

 

応用編

意味上の主語に所有格または目的格を置くのに意味の差はなく、目的格の方が口語的と書かれている文法書が多いようですが、以下のように書かれた文法書 (『わかるから使えるへ 表現英文法』田中茂範著 ) もあります。

 

それによると、所有格の後に続くのは「動名詞 」です。動名詞は名詞の役割をします。2.の文の場合は「彼の喫煙 (彼がタバコを吸うこと)」が嫌いという意味です。

それに対し目的格の後に続くのは「現在分詞 」です。ここでの現在分詞は形容詞の役割をします。2. の文の場合は「彼が喫煙していること」または「喫煙している彼」が嫌いだという意味です。

 

2つの違いは微妙で、「彼が喫煙するのが嫌い」という点では同じですが、動名詞の方は「喫煙が嫌い」、そして現在分詞の方は(喫煙する)「彼が嫌い」ということが強調されているといえそうです。

 

 

3.  Would you mind opening the window?

 動名詞 opening の意味上の主語は、文の主語と同じ you です。この文の直訳は「あなたは、(あなたが)窓を開けることを気にしますか?」です。「窓をあけて頂けますか?」という依頼の文です。

 

注)いいですよ」と言いたいときは、「窓を開けることを気にしない」のですから、答えは "Not al all."  "Of course not." のように否定的に答えることに注意しましょう。"No problem." などと答えることもあります。

 

 

4.  Would you mind my opening the window?

動名詞の意味上の主語と文の主語が異なる時は、動名詞の前に意味上の主語の所有格または目的格を置きます。動名詞 opening の意味上の主語 my (→私) です。

 

3. は「あなたが窓を開けることを~」でしたが、4. は「私が窓を開けることを、あなたは気にしますか?」と尋ねています。

 

 

 

5.  Getting good excersie is important.

意味上の主語一般の人の場合は、意味上の主語を示しません。getting の意味上の主語一般の人です。

 

 

 補足

動名詞と名詞の違い

動名詞名詞の働きをしますが、動詞の性質ももっているため、上述のように動作主がいるほか、動詞と同じように目的語副詞を伴う点も (この点は不定詞の名詞的用法も同じです) 純粋な (?) 名詞とは違います。

 

〇  I like playing tennis after school.

〇  動名詞目的語副詞

 

✖  I like tennis after school.

✖ 名詞副詞

 

動名詞は動詞の性質も持っているということにも注意しましょう。

 

お読みいただき、ありがとうございます。

 

よろしければこちら↓も参考にしてください。

keikoringbasic.hatenablog.jp

www.keiko.work

 

 

こちら↓はお勧め書籍です。何がどう違うのか、なぜそのようなルールなのかなどの細かいことまで論理的に理解したい方に(超)お勧めです!田中先生の別の本sで、私自身が文法を論理的に理解するヒントをたくさんいただきました。(自分もこんな風に教えてもらいたかったです。)現在英語を教える上でもとても役に立っています。先生の書籍の中でも新しい本をご紹介します。

 

表現英文法[増補改訂第2版]

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