「~だったらなあ」と願望を述べる時の表現について、実現可能性に注目してお伝えします。
問題
次の文の意味を考えましょう。
1. I wish I could go with you.
2. I wish I had gone with you.
3. I hope I can go with you.
4. I wish to go with you.
5. I hope to go with you.
6. I had hoped to go with you.
「法」とは
まずは、文の違いを理解するうえで大切な「法」について確認しましょう。
話者が「自分が話す内容についてどのように思っているか」を示す動詞の形を「法」と呼びます。直説法、仮定法、命令法の3つがあります。
直説法
話者が「事実だ」と考えている内容を述べる際に用いられます。多くの文は直説法です。
仮定法
話者が「事実ではない」「実現の可能性はほぼない」と考えている内容を述べる際に用いられます。
命令法
話者の「命令や要求」などを述べる際に用いられます。
文の種類 (大きく分けて、平叙文、疑問文、命令文、感嘆文の4種類) の一つとして考えられるときは、「命令文」と呼ばれます。
解答と解説
1. I wish I could go with you.
「S + wish + (助)動詞の過去形」は「実際には起こらないことや事実に反すると話者が考えている願い」が続きます。このような動詞の形は仮定法と呼ばれます。
つまりこの文は「(実際には行けないけれど) 行けたらいいのに」という意味です。
動詞を省略した"I wish I could." という文は丁寧に断わるときによく使われます。
現在のことを話題にしているのも関わらず could と過去形で表すことで、事実とは違うことを表現しています。
注)I wish I were a bird.(私が鳥だったらなあ) のように、be動詞は主語が何であっても were を使います。
2. I wish I had gone with you.
「S + wish + had + 過去分詞」で、過去のことを「~していたらあ / ~しなかったらなあ」と「過去において実現しなかったことの願い」を表します。
この文は「(実際には行かなかったけれど) あなたと一緒に行けばよかった」という意味です。
3. I hope I can go with you.
hope の後ろには「可能性があると話者が考えている願い」が続きます。このような動詞の形は直説法と呼ばれます。
この文は「一緒に行けるといいですね」という意味です。
4. I wish to go with you.
5. I hope to go with you.
2文とも「あなたと一緒に行きたい」という意味です。wish to do のように不定詞を使う場合は、必ずしも仮定法ではないので間違わないようにしましょう。
wish to do はwant to do より丁寧な表現で、「~したい」という意味です。実現の可能性が低い場合だけでなく高い場合にも用いられます。
hope to do は「~することを望む」という意味です。want to do が「とにかく~したい」と話者の願望を述べているのに対し、hope to do は、ある程度実現の可能性があることを望む場合に使われることが多いようです。
応用編
6. I had hoped to go with you.
「あなたと一緒に行きたいと思っていたのですが…(実際には行かなかった)。」という意味です。
「過去完了形 (had + 過去分詞)」 を用いて、過去における願望が実現しなかったことを表す仮定法です。
まとめ
直説法(話者が事実だと考えている)
3. I hope I can go with you.
4. I wish to go with you.
5. I hope to go with you.
仮定法(話者が事実ではない、実現の可能性はないと考えている)
1. I wish I could go with you.
2. I wish I had gone with you.
6. I had hoped to go with you.
使い方を間違えると、失礼な言い方になってしまうこともあるので、正しく使いこなしたいですね。
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仮定法は時制の一致が行われません。詳しくはこちら↓を参考にしてください。
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