今回も代名詞についてお伝えします。
it / this / that や,it / one など,細かい違いがわからないため,どの代名詞を使えばよいのか悩んだことがある人は多いと思います。
今回はそれぞれの代名詞の使い分けについてお伝えします。
代名詞としてではなく,形容詞として使われ,後ろに名詞を伴う場合もありますが,今回は代名詞についてのみお伝えします。
1. ~ 8. はこちら↓をご覧ください。
問題
空欄に適切な代名詞を入れましょう。
9. Listen to ( ). You should have confidence in yourself.
これから言うことを聞いて。あなたは自分に自信をもった方がいいよ。
10. 講義の後で ( )'s about ( ).
これで終わりです。
11. Some people like baseball, and ( ) like soccer.
野球が好きな人もいれば,サッカーが好きな人もいます。
12. Would you like tea or coffee? ( ) is fine.
紅茶がいいですか,それともコーヒーがいいですか? どちらでもいいです。
13. I have ( ) on my mind.
何か気がかりなことがあります。
14. He looked at ( ) in the mirror.
彼は鏡の中の自分を見ました。
15. I have three sons. ( ) has a different personality.
私には3人息子がいます。それぞれ性格が違います。
解説と解答
代名詞には,「人称代名詞」「指示代名詞」「不定代名詞」の3種類があります。
それぞれの代名詞を簡単に説明します。
人称代名詞:I,it,he,they など
★名詞の繰り返しを避けるために用いられ,1人称,2人称,3人称があります。
★文の中の役割によって,me,her のように格変化します。
★ it は人以外のものを指しますが(人ではありませんが),人称代名詞のひとつです。
指示代名詞:this,thatなど
★人や物を指したり、文の一部を表します。
不定代名詞:one(s)、another、someone など
★不特定の人や物,数量などを表します。
解答は次の通りです。
9. Listen to ( this ). You should have confidence in yourself.
★this は物理的,心理的に距離が近いものを,that は遠いものを表します。両方とも既出の節や文を表しますが,これから述べる未出の内容を表すのは this だけで that は使えません。
10. 講義の後で ( That )'s about ( it ).
★this と that は何かの対象を直接指し,this は「これ」that は「それ,あれ」という意味です。この that はこれまで話したことを指しています。
★it は距離感に関係なく,1. で説明したように何を指すのかがわかっている内容や意図した内容を「それ」と表します。この it は講義で意図した内容を表しています。
11. Some people like baseball, and ( others ) like soccer.
★〈Some …, others ~〉で「…する人もいれば[ものもあれば]~する人もいる[ものもある]」という意味です。
★some は3人[3つ]以上の中から最初に複数を取り上げるときに使います。
★others は最初にあげた人やものとは別の複数の人やものを表すときに使います。
★one は2人[2つ]以上の中から最初に一人[ひとつ]を取り上げるときに使います。
★another は最初にあげた人やものとは別の不特定の人やものを表すときに使います。
★残り全部を表す時は特定されるため,定冠詞をつけて the other(s) と表します。
例)
I have three sons. One lives in Tokyo. Another lives in Kyoto. The other lives in Fukuoka.
12. Would you like tea or coffee? ( Either ) is fine.
★either は「2人[2つ]のうち,どちらか一方,どちらでも」という意味で使います。単数扱いです。
13. I have ( something ) on my mind.
*on one's mind: 気にかかって
★something は通例肯定文で,anything は通例否定文・疑問文で「何か」という意味で使います。
★someone,somebody,anyone,anybody は「誰か,誰でも」という意味で,通例肯定文では someone,somebody,否定文・疑問文では anyone,anybody を使います。
★somebody,anybody を名詞として「大物,ひとかどの人」という意味で使うこともあります。
例)
I think she is somebody.
彼女は大物だと思います。
14. He looked at ( himself ) in the mirror.
★-self,-selves で終わる人称代名詞を再帰代名詞と呼びます。
★再帰代名詞は動詞や前置詞の目的語が主語と同じ人やものであるときに使います。
★再帰代名詞は(代)名詞の意味を強調するときに使います。(代)名詞の直後や〈動詞(+目的語)〉の直後に置かれます。
例)
The president himself called me.
The president called me himself.
15. I have three sons. ( Each ) has a different personality.
★each は単独,または〈each of +複数形の(代)名詞〉の形で「それぞれ,各自」という意味で使われます。
★each other は「お互いに」という意味です。通例2人[2つ]を指します。3人[3つ]以上でも使うことはできますが,その場合は one another を使うのが一般的です。
例)
Taro and I have known each other since we were children.
My coworkers learn from one another.
それぞれの使い方を正確に理解しておきましょう。特に再帰代名詞を実際にどのように使うかがわかっていない人が多いので,この機会に覚えておきましょう。
こちら↓も参考にしてください。