今回はTOEIC(R) のそれぞれのパートの特徴と対策についてお伝えします。
私は企業や大学などで数日~数か月間のTOEIC(R) 対策講座を担当してきました。
TOEIC(R) だけを専門としているわけではないので、とても詳しいというわけではありませんが、スコアアップのためのお勧めの学習法について2回に分けてお伝えします。
パート毎の詳細は TOEIC(R) 対策(2) をご覧ください。
個人的な意見も含まれていることを、予めご承知おきください。
1. TOEIC(R) について
まずは試験について確認しましょう。
■ Test Of English for International Communication の略
Listening Section 100問、Reading Section 100問を 2時間で解きます。
★ 集中力が必要です。
★ Listening は前の問題を引きずらず、次の問題に集中しましょう。
★ Readingは時間配分が大切です。
■ どのレベルの人も、同じ条件で同じテストを受験します。
★ 目標点によって解くべき問題が異なります。
・900点代を狙っているのでない限り、解けない問題があっても気にする必要はありません。
・多くの人が「全問解けない」と悩んでいらっしゃるのですが、全てのレベルの人が受験するテストなので、難しい人と感じる人も簡単と感じる人もいます。
・自分が目指すスコアによって解くべき問題が異なることを知っておくと、気持ちが楽になるはずです。
■ 必要な力
★ 語彙力
・学校で習ってきたような一般的な語彙だけでなく、TOEIC(R) ならではの語彙も覚えましょう。
・必ずしも自ら発信できなくてもよいので、読んだり聞いたりしたら理解できる語彙(受信語彙)を増やしましょう。
★ 文法力
・ざっくりでもよいので基本的な文法を理解しておきましょう。
・SpeakingやWriting のように自ら発信する場合は完璧な知識が必要ですが、TOEIC(R)では必ずしも完璧でなくても選択肢の中から正答が見つけられればOKです。
・600点を狙うなら中3レベル、730点以上を狙うなら高1レベルの文法が目安です。
・それぞれのレベルの文法項目は以下の通りです。
苦手な項目は復習しておきましょう。
中3レベルの文法項目
1.それぞれの品詞の役割
・名詞
・(助)動詞
・形容詞
・副詞
・冠詞
・代名詞
・接続詞
・前置詞
・間投詞
2.時制
・現在(進行)形
・過去(進行)形
・未来形
・現在完了形
3.4つの文
・平叙文(肯定文と否定文)
・疑問文(Yes/No、WH、選択、付加、否定、間接、疑問文)
・命令文
・感嘆文
4.文型
・第1文型 (SV)
・第2文型 (SVC)
・第3文型 (SVO)
・第4文型 (SVOO)
・第5文型 (SVOC)
5.比較
・比較級
・最上級
・同等比較
6.態
・能動態
・受動態
7.不定詞
・名詞的用法
・形容詞的用法
・副詞的用法
・疑問詞+to不定詞
・SVO+to不定詞
8.動名詞
・不定詞の名詞的用法との共通点と違い
9.分詞
・現在分詞
・過去分詞
10.関係代名詞
・主格
・目的格
・所有格
高1レベルの文法項目
高1レベルは、中学校の指導要領には含まれない以下の項目が含まれます。
1.現在完了進行形 / 過去完了(進行)形 / 未来進行形 / 未来完了形
2.第5文型(SVOC) の(C)に動詞の原形や分詞が入る文
・使役動詞
・知覚動詞
など
3.関係代名詞の非制限用法 / 関係代名詞 what / 関係副詞 / 複合関係詞
4." " 内 が Yes/No疑問文、命令文、感嘆文の話法の転換
5.仮定法
6.分詞構文
7.助動詞+完了形
8.不定詞の完了・進行・受動態
9.動名詞の完了・受動態
など
★ 読解力
・TOEIC(R)の問題はそれほど難しくなく、英検2級程度だと言われています。
(もしかすると英検2級は難しいと思われる方がいらっしゃるかもしれまんせが、ビジネスで使える英語力を目指すのなら、英検2級レベルは最低限必要だと思います。)
・ほとんどの問題は、文中に答えが書かれています。
・行間を読まなければ解けない問題や、筆者の感情を推測するような問題は出ません。
・基本的な語彙力と文法力があれば解答できます。
・ただし、問題量が多いため、高得点を狙うのならスピードも必要です。
★ リスニング力
・スクリプトを確認するとわかると思いますが、文字で確認すると内容はリーディングよりも簡単です。
・Reading Section より得点が高い方も多いようです。
・(文字があれば)それほど難しい文章ではないので、英語を聞くことに慣れれば、得点アップが期待できます。
2. それぞれのパートの特徴
Listening Section
■ Part 1
写真描写問題
問題ページ:写真だけ
4択
■ Part 2
応答問題
問題ページ:設問と選択肢が書かれていない(音声だけで解く)
3択
■ Part 3
会話問題
問題ページ:設問と選択肢が書かれている
4択
■ Part 4
説明文問題
問題ページ:設問と選択肢が書かれている
4択
Reading Section
■ Part 5
短文穴埋め問題
4択
■ Part 6
長文穴埋め問題
4択
■ Part 7
読解問題
1組に、読むべき文書が1つ、2つ、3つの3種類の問題がある
4択
3. Abilities Measuredについて
・最後に、Abilities Measured の見方を確認しておきましょう。
・パート毎ではなく、スキル事の正解率が分かるので、自分の弱点がわかります。
・Listening 、Readingともに「できること」が5つに分かれています。
・ひとつの問題に複数の要素が関連することもあるので、関連パートは目安としてお考えください。
Listening
L1
短い会話、アナウンス、ナレーションなどの中で明確に述べられている情報をもとに要点、目的、基本的な文脈を推測できる
■ Part 1 と Part 2 で間接的に述べられている部分を聞き取れているかどうか確認できます。
L2
長めの会話、アナウンス、ナレーションなどの中で明確に述べられている情報をもとに要点、目的、基本的な文脈を推測できる
■ Part 3 と Part 4 の大意把握問題を聞き取れているかどうか確認できます。
L3
短い会話、アナウンス、ナレーションなどにおいて詳細が理解できる
■ Part 1 と Part 2 で直接的に述べられている部分を聞き取れているかどうか確認できます。
L4
長めの会話、アナウンス、ナレーションなどにおいて詳細が理解できる
■ Part 3 と Part 4 の詳細把握問題の直接的に述べられている部分を聞き取れているかどうか確認できます。
L5
フレーズや文から話し手の目的や暗示されている意味が理解できる
■ Part 1と Part 2 の暗示されている意味を理解できているかどうか確認できます。
■ Part 3 と Part 4 の詳細把握問題の暗示されている意味を理解できているかどうか確認できます。
Reading
R1
文書の中の情報をもとに推測できる
■ Part 7 の大意把握問題や、筆者の意図を問う問題が正解できているかどうか確認できます。
■ Part 6 の文選択問題や Part 7 の位置選択問題が正解できているかどうか確認できます。(R3 の要素もある)
R2
文書の中の具体的な情報を見つけて理解できる
■ Part 7 の詳細情報把握問題が正解できているかどうか確認できます。
R3
ひとつの文書の中でまたは複数の文書間でちりばめられた情報を関連付けることができる
■ Part 7の複数個所にある情報を関連付けて解く問題が正解できているかどうか確認できます。
■ Part 6 の文選択問題や Part 7 の位置選択問題が正解できているかどうか確認できます。(R1の要素もある)
R4
語彙が理解できる
■ Part 5、6、7 の語彙問題
R5
文法が理解できる
■ Part 5と6 の文法問題
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