「付帯状況」とはどんな状況でしょう? 「付帯状況を表す with」とか、「付帯状況を表す分詞構文」のように使われますが、「付帯」とはどんな状況なのか分かりにくいという声をよく聞きます。今回は「付帯状況」についてお伝えします。
問題
空欄に適切な語を入れましょう。
1.
Mary began the work yesterday, ( ) it today.
メアリーは昨日その仕事を始め、今日終えました。
2.
It is stuffy in this room ( ) ( ) the windows ( ).
すべての窓がしまっていて、この部屋はムッとしています。
3.
She was eating lunch, ( ) ( ) the radio.
彼女はラジオを聴きながら昼食を取っていました。
4.
She was listening to the radio, ( ) ( ) ( ) ( ).
彼女は腕を組んでラジオを聴いていました。
5.
The train left Tokyo at six, ( ) at Kyoto at eight.
その列車は6時に東京を出発し、8時に京都へ着きます。
6.
He was thinking ( ) ( ) ( ) ( ) his mouth.
彼は鉛筆を口にくわえて考えていました。
7.
Don't tak ( ) ( ) ( ) ( ).
口の中をいっぱいにして話してはいけません。
解答と解説
全て「付帯状況」を表しています。
「付帯状況」とは、主文に意味を添える表現で、メインの情報ではなく、補足情報と考えることができます。次の2通りに分けられます。
① 2つの動作や状況が続けて起こる
② 2つの動作が同時進行(~したまま、~の状態で)
注意
②の「同時進行」だけを付帯状況と説明している文法書もあります。
ほとんどの場合、文法上「付帯状況」と説明される状況は、次のどちらかで表されます。
① 分詞構文
② with +(代)名詞+分詞/形容詞/副詞(句)
補足)
独立分詞構文の前にwithが置かれていると考えることもできます。
ここ大事!
2つの違いは、「文の主語」と「分詞の意味上の主語(または形容詞や副詞が説明している主語)」が同じかどうかによって使い分けます。
① 主語は同じ
② 主語は別
補足)
分詞の意味上の主語はwithの後の(代)名詞です。
現在分詞が来るか過去分詞が来るかは、その(代)名詞との関係によって決まります。
ほとんどの場合、能動なら現在分詞、受動なら過去分詞。
分詞構文については、こちらを参考にしてください。
付帯状況については、 こちら↓も参考にしてください。
意味上の主語については、こちら↓を参考にしてください。
現在分詞と過去分詞については、こちら↓を参考にしてください。
1.
Mary began the work yesterday, ( finishing ) it today.
メアリーは昨日その仕事を始め、今日終えました。
①分詞構文
finishing it today が主文(Mary began the work yesterday)に続いて行われる動作を表しています
finishing の意味上の主語は主文の主語と同じMary
2.
It is stuffy in this room ( with ) ( all ) the windows ( closed ).
すべての窓がしまっていて、この部屋はムッとしています。
② with +(代)名詞+分詞/形容詞/副詞(句)
with all the windows closed は主文(It is stuffy in this room)と同時進行。
closed の意味上の主語はall the windows
3.
She was eating lunch, ( listening ) ( to ) the radio.
彼女はラジオを聴きながら昼食を取っていました。
① 分詞構文
listening to the radio は主文(She was eating lunch)と同時進行。
listening の意味上の主語は主節の主語と同じshe
4.
She was listening to the radio, ( with ) ( her ) ( arms ) ( folded ).
彼女は腕を組んでラジオを聴いていました。
② with +(代)名詞+分詞/形容詞/副詞(句)
with her arms folded は主文(she was listening to the radio) と同時進行。
folded の意味上の主語は her arms
5.
The train left Tokyo at six, ( arriving ) at Kyoto at eight.
その列車は6時に東京を出発し、8時に京都へ着きます。
① 分詞構文
arriving at Kyoto at eight は主文(The train left Tokyo at six) に続いて行われる動作を表しています。
arriving の意味上の主語は主節の主語と同じ the train
6.
He was thinking ( with ) ( a ) ( pencil ) ( in ) his mouth.
彼は鉛筆を口にくわえて考えていました。
② with +(代)名詞+分詞/形容詞/副詞(句)
with a pencil in his mouth は主文(he was thinking) と同時進行。
in his mouth は副詞句
7.
Don't tak ( with ) ( your ) ( mouth ) ( full ).
口の中をいっぱいにして話してはいけません。
② with +(代)名詞+分詞/形容詞/副詞(句)
with your mouth full は主文(Don't talk) と同時進行。
fullは形容詞
まとめ
「付帯状況」とは、2つの動作や状況が続けて起こる、または同時進行の状況や状態のことです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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