日本語でも「公然の秘密 (open secret)」や「仮想現実 (virtual reality) 」など、矛盾した言葉を一緒に使う場合がありますが、英語にもこのような表現があります。今回は oxymoron (矛盾語法) をいくつか紹介します。
問題
次は全て oxymoron の例です。空欄に当てはまる単語を入れましょう。
1. historical ( f )
歴史小説
2. ( o ) news
初耳ではないニュース
3. ( dea ) silence
耳をつんざくような静けさ
4. big ( )
甘えた考えの人
5. ( o ) copy
原本
6. ( ) crowd
小規模な群衆
7. ( ) order
順不同
8. ( s ) scream
声にならない叫び
9. ( ) income
負の所得
10. ( ) vacation
働く休暇
11. plastic ( )
プラスティック製のメガネ
12. agree to ( )
意見の不一致を認める
一般的に oxymoron と考えられているその他の表現
happy sadness (幸せな / 悲しみ)
love hate (愛憎)
honest politician(笑)(正直な / 政治家)
cold fire (冷たい / 火、火事)
bittersweet (苦い / 甘い)
affordable cavia (手ごろな / キャビア )
anticipated emergency ( 予想される / 緊急事態 )
accurate rumors ( 正確な / うわさ)
true myth (真実の / なぞ、神話)
clearly confused ( 明確に / 混乱して)
living dead (生きている / 死んでいる )
act naturally (演じる / 自然に)
exact estimate (正確な / 見積もり)
definitely maybe (絶対に / 多分)
accidentally on purpose
(偶然を装って故意に)
only choice (唯一の / 選択)
注)通常2つ以上から選択します
など
解答と解説
1. historical ( fiction )
history は事実で、fiction は「架空の物語」という意味なので、この2つは矛盾しています。
2. ( old ) news
newsは new (新しい)という意味が語源なので、この2つは矛盾しています。
注)
news の最後の音は【s】ではなく【z】です。(ニュースではなく、ニューズ)
3. ( deafening ) silence
deafening は「耳をつんざくような」という意味で、silence は「静けさ」という意味なので、この2つは矛盾しています。
deafening silence はシーンと静まり返った様子を表します。
気まずい雰囲気を意味することもあります。
なお、deaf は「耳がよく聞こえない」という意味です。
通常、deafening applause (大きな拍手)のように使います。
4. big ( baby )
5. ( original ) copy
master copy とも言います。
original は「最初の、現物の」という意味で、 copy は「写し」という意味なので、この2つは矛盾しています。
6. ( small ) crowd
small は規模が小さいことを表し、crowd は大人数を表すので 、この2つは矛盾しています。
7. ( random ) order
random は「手あたり次第の」という意味で、order は「順番、秩序」などという意味なので、この2つは矛盾しています。
8 ( silent ) scream
silent は「静かな」という意味で、scream は「悲鳴、絶叫」という意味なので、この2つは矛盾しています。
9. ( negative ) income
negative は「マイナスの」という意味で、income は「(プラスの) 所得」という意味なので、この2つは矛盾しています。
10. ( working ) vacation
「働く」と「休暇」は矛盾しています。
休暇中も電話、パソコン、スマホなどを使って仕事をしている状況です。
11. plastic ( glasses )
glass は「ガラス」という意味です。
補足
plastic silverware (プラスティック製食器)も oxymoron です。
silverware は「食器」という意味もありますが、元は「銀製食器」のことでした。
12. agree to ( disagree )
反対する(disagree) ことに 同意する(agree)という意味です。
すっかり馴染んでいて、そもそも矛盾していることに気づかない場合もあるかもしれませんが、このような語法を使うことで、意味を強調することができますね。
シェークスピアなど、多くの作家が好んでこの語法を使っているようです。
「昨日何してた?」と聞かれて、
I was busy doing nothing.
と答えるのも oxymoron です(^^♪
Have a good weekend!
こちら↓も参考にしてください。