仮定法といえば if を思い浮かべる人が多いと思いますが、 if を使わない仮定法もあります。今回は1つの節(S+Vを含む2語以上) だけで成り立つ仮定法についてお伝えします。
以前もお伝えしましたが、ここでも「法」についてお伝えします。
「法」とは
まずは、文の違いを理解するうえで大切な「法」について確認しましょう。
話者が「自分が話す内容についてどのように思っているか」を示す動詞の形を「法」と呼びます。直説法、仮定法、命令法の3つがあります。
直説法
話者が「事実だ」と考えている内容を述べる際に用いられます。多くの文は直説法です。
仮定法
話者が「事実ではない」「実現の可能性はほぼない」と考えている内容を述べる際に用いられます。
命令法
話者の「命令や要求」などを述べる際に用いられます。
文の種類 (大きく分けて、平叙文、疑問文、命令文、感嘆文の4種類) の一つとして考えられるときは、「命令文」と呼ばれます。
if を使わない仮定法
以前お伝えした I wish ~ 以外にも if を使わない仮定法があります。
I wish ~ についてはこちら↓を参考にしてください。
文脈などから明らかな場合は「もし~だったら」という条件節を省略します。
問題
空欄に適切な語を入れましょう。
1. I ( ) ( ) think about it any more.
私なら、もうそのことは考えないよ。
2. I ( ) ( ) ( ) ( ) such a thing.
私なら、そんなことはしなかっただろうに。
3. I ( ) ( ) ( ) her name.
彼女の名前を聞くべきだったのに(聞かなかった)。
4. You ( ) ( ) ( ) ( ).
あなたは走る必要はなかったのに(走った)。
5. He kindly helped us. Otherwise, we ( ) ( ) ( ) ( ) it.
親切にも彼が助けてくれました。そうでなければ、私たちはそれを終えることができなかったでしょう。
6. ( ) your help, he ( ) ( ) ( ) ( ) the test.
あなたの助けがなければ、彼はそのテストに合格できなかったでしょう。
7. She ( ) ( ) ( ) promoted.
彼女は昇進できたのに(しなかった)。
解答と解説
1. I ( would ) ( not ) think about it any more.
If I were you, が省略されています。
この文は「助言」を表しています。
「現在の事実」と異なる場合は、助動詞の過去形の後に動詞の原形を続けます。
助動詞を過去形 (ここではwould) にすることで、現実と違うことを表しています。
詳しくはこちら↓を参考にしてください。
2. I ( would ) ( not ) ( have ) ( done ) such a thing.
「過去の事実」と異なる場合は、助動詞の過去形の後にhave+過去分詞を続けます。
この文は「非難」を表しています。
3. I ( should ) ( have ) ( asked ) her name.
「should (not ) have +過去分詞」は「すべきだったのにしなかった」、または「すべきでなかったのにした」ことを表します。
この文は主語が一人称( I / we) なので「後悔」を表しています。
主語が1人称以外の時は「非難」の気持ちを表すことが多いようです。
4. You ( need ) ( not ) ( have ) ( run ).
「need not have+過去分詞」は「(実際には必要なかったのに)した」ことを表します。
補足
疑問文の Need you have run? は「(実際には必要なかったのに)する必要あった?」と尋ねています。
5. He kindly helped us. Otherwise, we ( could ) ( not ) ( have ) ( finished ) it.
otherwise(それでなければ) の後ろは「過去の事実」とは異なることが述べられるため、助動詞の過去形の後に have +過去分詞が続きます。
6. ( Without ) your help, he ( could ) ( not ) ( have ) ( passed ) the test.
実際には助けがあったので、「過去の事実」とは異なることが述べられているため、助動詞の過去形の後に have +過去分詞が続きます。
7. She ( could ) ( have ) ( been ) promoted.
「could have +過去分詞」は「~できたのにしなかった」ことを表します。
まとめ
would ~でしょう / ~だったでしょう
would not ~ではないでしょう / ~ではなかったでしょう
could ~できるのに / ~できたのに
could not ~できないでしょう / ~できなかったでしょう
現在の仮定 助動詞の過去形+動詞の原形
過去の仮定 助動詞の過去形+have+過去分詞
should have+過去分詞 ~すべきだったのにしなかった
should not have+過去分詞 ~すべきでなかったのにした
need not have+過去分詞 ~する必要はなかったのにした
need 主語 have+過去分詞 ~す必要はなかったのにしたの?
仮定法は難しいと考えている人が多いようですが、まずは主節のルールを理解しましょう(^^♪
お読みいただき、ありがとうございます。
よろしければこちら↓も参考にしてください。